書評ブログ

『いますぐ妻を社長にしなさい』

現役の大手銀行員が薦める究極の資産形成術があります。それは、「いますぐ妻を社長にするプライベートカンパニーを作る」という方法です。そこで本日は、この本を紹介します。

 

 

坂下仁『いますぐ妻を社長にしなさい』(サンマーク出版)

 

 

 

この本は、サラリーマンのままお金持ちになるのは不可能なので、「妻をお金持ちにする!」ことに全力を注ぎなさいと勧めています。何故ならサラリーマンには以下の「4つの壁」が立ちはだかっているからです。

 

 

1.税制の壁(節税したくてもできない)

2.給与体系の壁(努力が昇給に反映されない)

3.就業規制の壁(副業を禁止する)

4.転職市場の壁(転職するほど給与が下がる)

 

 

こうした「4つの壁」を避けるには「自分自身がお金持ちになる」という発想を捨てることが必要です。スキルを必死に磨いて死に物狂いで働いても、「4つの壁」がある限り、お金持ちになることはありません。

 

 

サラリーマンがお金持ちになることは不可能ですが、夫が妻をお金持ちにすることは意外と簡単だと著者は言います。自分のためではなく妻のために時間を使い、妻の器を大きくすることに集中しましょう、ということです。

 

 

具体的には坂下さんは、合同会社という形態で家族のための「プライベートカンパニー」を持つことを提案しています。とくに資本金を300万円以下にして税制上のメリットをフル活用することを目指します。

 

 

合同会社の設立は簡単で、費用も7万円(行政書士に丸投げしてもプラス1万円程度)、3時間もあれば設立できてしまうそうです。さらに会社分割や相続税対策など、法人としてのメリットは大きいと言います。

 

 

さまざまな生活費を、会社経営にための必要経費として自宅家賃、通信費、光熱費、ランチミーティング、交通費などとして損金扱いできるようになるメリットがあります。

 

 

そして妻をこのプライベートカンパニーの社長にすればいい、ということです。プライベートカンパニーには「4つの壁」がないため、サラリーマンには認められていない経費が認められて日本一低い税率が適用されます。

 

 

プライベートカンパニーという法人にしっかりした収入があればこそ、ということだと思いますが、「稼ぐ」ことさえできればお金の増え方は格段に効率が良くなることでしょう。

 

 

この本では、以上の提案を以下の4部構成にて行っています。

 

 

1.妻が社長をすればすぐ裕福になれる

2.妻ほど社長に向いている人はいない

3.妻の会社がうまくいく堅実なビジネス

4.妻と一緒に幸せを手に入れるために

 

 

上記の1番目で「プラベートカンパニー」という概念とメリットを説明し、2番目で妻が会社の社長に向いている理由を紹介しています。

 

会社がどうやって稼ぐかというキモの部分は3番目の「堅実なビジネス」として原則を紹介しています。まずは財形貯蓄などで「タネ銭」を作った上で、「失敗しないビジネス」として以下の5つの条件を満たすことを提唱しています。

 

1.小さな金額から始められること

2.利他的なビジネスであること

3.簡単に学べて再現性があり、片手間で手軽にできること

4.家事の合間にできて、ムリなく続けられること

5.他人まかせにしないで、妻がコントロールできること

 

 

著者は上記の5つの条件を満たすものであればどんなビジネスでも構わないと述べています。実際に坂下さんの場合は「大家業」、つまり不動産賃貸業プライベートカンパニーのコア事業に据えています。

 

 

上記の5条件を満たすだけでなく、金融機関からの借入が容易であるという面があるからということです。何もやりたいビジネスが思い付かない場合は「大家業」が一番無難だと著者は勧めています。

 

 

プライベートカンパニーの事業として不動産賃貸業が向いている理由を著者は以下のようなメリットとして解説しています。

 

 

1.素人が簡単に学べる事業で、他人のためになる事業である

2.銀行がローンを貸したがる(アパートローンなど)

3.成功している人のマネがしやすい(ブロードバンド対応の物件など)

4.家事の合間にできる

5.妻自身がコントロールできる

 

 

まさに先に挙げた5つの条件に当てはまる事業ということです。本書の最後の部分で、坂下さんは社長である妻と夫との役割分担や協力関係について記しています。

 

 

いくつか留意点があり、著者の経験から以下の4点が大切であると述べています。

 

 

1.夫婦ふたりで学ばなければ意味がない

2.どんなときも責任を取るのは夫であること

3.ウソとヒントを見分ける目を養うこと

4.家庭内トラブルを防ぐ「ミッション」と「未来年表」をつくる

 

 

最後の最後に、妻や家族を説得することは難しく、不安を払拭してあげる特効薬「動機」と「根気」、そして「熱意」と「愛情」しかないと経験談を語っています。「定年前起業」の場合もまったく同じだと私も経験から思っています。

 

 

「感謝の気持ち」を見える化したものが「お金」である、というのが坂下さんの事業哲学です。私も、専門家として困っている人の悩みを解決し、幸せな人生を送るお手伝いをすることが事業(ビジネス)だと考えています。

 

 

私の場合は「定年後の不安を自分が主役の人生に変える」専門家として、皆さんの「定年前起業」をサポートします。皆さんも妻と一緒に、プライベートカンパニーによる起業を考えてみませんか。

 

 

 

2020年3月3日に、YouTubeチャンネル『大杉潤のyoutubeビジネススクール』【第22回】なぜ、妻が社長の合同会社がいいのか?、にて紹介しました。

 

 

 

 

 

では、今日もハッピーな1日を!