『定年で終わる人、終わらない人 豊かに生きるための5つの智慧』
「定年で終わる人と、定年から新しい人生を始める人。その違いはどこにあるのか。」― 長年勤めた会社を離れ、肩書や役職を失ったとき、人は何を支えに生きていけばいいのか。メガバンク、経営コンサルタント、ヘッドハンターとして第一線で活躍し、その後、築地本願寺の改革を成し遂げた著者が、自らの経験と仏教の教えをもとに、人生後半を豊かに生きるための「5つの智慧」を説いた本があります。
本日紹介するのは、1954年生まれ、慶應義塾大学経済学部卒業、ケンブリッジ大学大学院博士研究課程修了後、三和銀行(現・三菱UFJ銀行)、米系大手人材コンサルティング会社ラッセル・レイノルズ社を経て、島本パートナーズ社長・会長を歴任。2015年から築地本願寺代表役員宗務長として寺院改革を主導し、2022年から2024年まで京都・西本願寺の代表役員執行長を務め、現在は株式会社オフィス安永代表取締役、武蔵野大学評議員、グロービス経営大学院特別教授などを務める安永雄彦(やすなが・ゆうひこ)さんが著した、こちらの書籍です。
安永雄彦『定年で終わる人、終わらない人 豊かに生きるための5つの智慧』(講談社α新書)
人生100年時代を迎え、定年後の人生はますます長くなっています。しかし、会社員として長年働いてきた人にとって、定年は大きな転機です。
それまで当たり前だった会社の肩書、仕事上の人間関係、組織での役割などが変わり、自分の存在価値を見失ってしまう人も少なくありません。
「会社を離れた自分には、何が残るのか」「これから何を目標に生きればいいのか」「もう一度、社会の役に立つことができるのか」
こうした不安に対して、著者はビジネスの世界で培った経験と、仏教の教えを組み合わせた独自の考え方を提示しています。
著者自身、メガバンクから経営コンサルティング、ヘッドハンティングへとキャリアを転換し、さらに60歳を過ぎて築地本願寺の宗務長に就任しました。
衰退の危機にあった築地本願寺の改革を進め、組織の再生に取り組んだ経験は、まさに「定年で終わらない人生」を体現するものです。
本書の中心となるのは、「凡夫の自覚」「影と煩悩の受容」「報恩感謝」「失敗からの学び」「あと5年の生き方」という5つの智慧です。
本書は以下の7部構成から成っています。
1.定年世代が心豊かに生き抜くための5つの智慧
2.「凡夫」の自覚 ― 第一の智慧
3.影と煩悩の受容 ― 第二の智慧
4.報恩感謝 後悔しない生き方 ― 第三の智慧
5.失敗からの学び ― 第四の智慧
6.「あと5年」の生き方 ― 第五の智慧
7.“会社軸”を超えて生きるという幸福
本書の前半では、定年後を豊かに生きるための心構えと、最初の2つの智慧について、以下のポイントを説明しています。
◆ 定年を人生の終着点ではなく、新しい人生の出発点と捉える
◆ 第一の智慧「凡夫の自覚」とは、自分の不完全さや限界を認めること
◆ 会社での地位や成功体験に執着せず、謙虚な姿勢を持つ
◆ 第二の智慧「影と煩悩の受容」とは、自分の弱さや欲望も受け入れること
◆ 理想の自分を追い求めるより、ありのままの自分を認めて生きる
この本の中盤では、感謝と失敗からの学びを通じて、人生を豊かにする方法について解説しています。主なポイントは次の通り。
◆ 第三の智慧「報恩感謝」とは、周囲への感謝を忘れずに生きること
◆ 自分の成功は、多くの人の支えによって成り立っていると自覚する
◆ 過去への後悔にとらわれず、今できることに目を向ける
◆ 第四の智慧「失敗からの学び」とは、挫折や失敗を成長の糧にすること
◆ 人生後半でも新しい挑戦を続け、経験から学び続ける
本書の後半では、残された時間を意識した生き方と、「会社軸」からの転換について考察・提言しています。主なポイントは以下の通りです。
◆ 第五の智慧「あと5年」の生き方で、限られた時間を大切にする
◆ 先延ばしにせず、今やりたいことに取り組む
◆ 会社の肩書や評価から離れ、自分自身の価値観で生きる
◆ 仕事だけでなく、家族や地域社会とのつながりを大切にする
◆ 他者への貢献を通じて、人生後半の新しい役割を見つける
本書を読んで最も印象に残ったのは、「会社軸」を超えて生きることが、定年後の幸福につながるという点です。
会社員時代は、会社の目標や評価基準に沿って働くことが求められます。しかし、定年後は自分自身で人生の目的を決め、時間の使い方や人間関係を選択していかなければなりません。
そのときに大切なのが、過去の成功体験や肩書に執着せず、自分の弱さも受け入れながら、新しい役割を見つける姿勢です。
また、著者が提唱する「あと5年」の生き方も印象的です。人生100年時代だからといって、時間が無限にあるわけではありません。
「もし、あと5年しか生きられないとしたら、何をしたいか」。この問いを持つことで、人生の優先順位が明確になるのではないでしょうか。
定年後も長く働き続けたい人、会社を離れて新しいキャリアに挑戦したい人、人生後半の生き方を見直したい人に、ぜひ読んでほしい一冊です。
YouTubeチャンネル「大杉潤のYouTubeビジネススクール」でも、人生100年時代の働き方、定年後キャリア、ひとり起業、資産形成やライフスタイルなど、仕事と人生を豊かにする情報を発信しています。ぜひチャンネル登録をしてご覧ください。
https://www.youtube.com/channel/UCIwJA0CZFgYK1BXrJ7fuKMQ
では、今日もハッピーな1日を!【4243日目】








