書評ブログ 『人生は「引き算」で軽くなる:ミニマリスト思考で人生を豊かに変える』 jun-ohsugi 2026年8月28日 / 2026年8月28日 「人生の重荷を減らすこと。モノ、家事、予定、仕事、情報、人間関係、毎月の支払い、将来への不安。少しだけ減らしてみると、人生は驚くほど軽くなる。」― モノや情報があふれ、「もっと欲しい」「もっと頑張らなければ」と足し算を続ける現代社会において、あえて「減らす」「やめる」「小さくする」という引き算によって、時間、お金、体力、そして心の余裕を取り戻す生き方を提唱している本があります。 本日紹介するのは、1991年東京都八王子市生まれ、新潟県長岡市で育ち、24歳の時に難病の再発による失業、1年間の自宅療養、貯金ゼロ・借金生活という経験を経て、所有物の99%を手放してミニマリストとなり、月10万円の生活を実践、2017年からYouTubeでミニマリスト生活について発信し、30代でFIRE(経済的自立)を達成、『お金の増え方は9割部屋で決まる』などの著書を持つミニマリストTakeruさんが書いた、こちらの書籍です。 ミニマリストTakeru『人生は「引き算」で軽くなる:ミニマリスト思考で人生を豊かに変える』(ぱる出版) ミニマリストTakeru『人生は「引き算」で軽くなる:ミニマリスト思考で人生を豊かに変える』(ぱる出版) Amazonで見る この本では、ミニマリズムとは単に「モノを捨てること」ではなく、人生にとって本当に大切なものを見極め、それ以外を減らすことで、自分らしい自由な生き方を取り戻すための考え方だと説明しています。 本書は以下の6部構成から成っています。 1.ミニマリズムとは何か 2.モノを減らすと人生が軽くなる 3.お金と仕事を軽くする 4.豊かな時間を取り戻すミニマリズム 5.心と健康を守るミニマリズム 6.ミニマリストの子育て 本書の前半では、「ミニマリズムとは何か」「モノを減らすと人生が軽くなる」というテーマを中心に説明しています。主なポイントは以下の通りです。 ◆「もっとお金が欲しい」「もっとモノが欲しい」「もっと成功したい」という「MORE IS LESS(もっとが、より少ない豊かさにつながる)」状態から抜け出し、「LESS IS MORE(少ないほど豊か)」へ発想を転換する ◆ 人は不安や不足感を埋めるためにモノを増やしがちだが、所有物が増えるほど、管理、片づけ、選択、維持などに時間とエネルギーを奪われていく ◆ ミニマリズムの本質は何でも捨てることではなく、自分にとって「本当に大切なもの」を見つけ、その大切なものに時間やお金を集中させることにある ◆ モノを減らすことで、部屋が片づくだけでなく、探し物や家事、管理の手間が減り、時間、体力、思考にも余白が生まれて、人生そのものが身軽になる ◆ 人生が苦しくなった時には、今まで積み上げてきたものに執着せず、一度リセットして、暮らしや仕事、生き方そのものを小さく組み直してもいい この本の中盤では、「お金と仕事を軽くする」「豊かな時間を取り戻す」というテーマを中心に解説しています。主なポイントは次の通り。 ◆ 収入を増やし続けなければ自由になれない人生ではなく、生活コストを下げることで「必要なお金」を小さくすれば、働く時間を減らすという選択肢も生まれる ◆ 「お金がなければ幸せになれない」という思い込みから離れ、散歩、読書、自然、家族との時間など、お金をほとんど使わずに得られる「無料の豊かさ」を増やしていく ◆ 節約の目的を単に資産を増やすことに置くのではなく、生活のために必要な労働時間を減らし、「自分の時間を取り戻すこと」と考える ◆ 効率化によって生み出した時間をSNSや動画などの「時間泥棒」に奪われてしまえば、本当の意味で時間は豊かにならないため、予定や情報そのものを減らす ◆ 人生には、家族と過ごす時間、何もしない時間、ゆっくり食事をする時間、自然に触れる時間など、効率化によって「省いてはいけない時間」がある 本書の後半では、「心と健康を守るミニマリズム」「ミニマリストの子育て」というテーマから、以下のポイントを紹介しています。 ◆ 現代社会では仕事だけでなく、SNSや大量の情報によって心が休まる時間が失われているため、情報や人間関係も意識して「減らす」ことが必要になる ◆ どれだけ仕事で成功し、お金を稼いでも、健康を失ってしまえば豊かな人生とは言えず、「健康を失ってまで頑張る価値はない」という優先順位を持つ ◆ 夢や目標を持つこと自体を義務にせず、頑張ることが自分を苦しめているなら、夢や目標を手放したり、途中でやめたりしてもいい ◆ SNSなど人と比較してしまう場所から意識的に距離を取り、他人の基準ではなく、自分にとっての「ちょうどいい暮らし」を見つけることが心の安定につながる ◆ 子育てでも「もっとできるように」と子どもに求めすぎず、「叱る」を減らして「褒める」を増やし、親自身に時間と心の余裕をつくることが、親子双方の幸福につながる 本書を読んで私が最も心に残ったのは「自由や幸せを、お金に依存させない暮らし」という考え方です。人生100年時代、とくに定年後の人生を考える時、私たちはつい「いくら貯めれば安心できるのか」というお金の問題に意識を集中させがちです。 老後2,000万円、3,000万円、あるいは4,000万円必要だと言われれば、「もっと貯めなければ」「もっと投資で増やさなければ」と考えます。もちろん、長い老後を支えるための資産形成は大切です。 しかし、本書を読んで改めて感じるのは、人生後半戦においては、資産を増やすという「足し算」と同時に、生活に必要なコストを小さくする「引き算」も重要だということです。 つまり、ミニマリズムは単なる「節約術」や「片づけ術」ではなく、人生の自由度を高めるための戦略でもあるのです。 私は人生100年時代の幸せな人生設計を考える時、「住む場所」「付き合う人」「時間配分」の3つがライフスタイルを決めると考えています。本書の「引き算」という考え方は、この3つすべてに通じるでしょう。 定年後は、会社員時代に「足し算」で築いてきたキャリア、肩書、モノ、人間関係を一度棚卸しして、「これからの人生に本当に必要なものは何か」を問い直す絶好の機会なのかもしれません。 人生100年時代の後半戦では、「もっと多く」を追い続ける生き方だけではなく、「もう十分に持っている」と考える生き方も大切になります。 本書は、「なんだか毎日が重たい」「もう少し楽に生きたい」「もっと自由な暮らしがしたい」と感じている方はもちろん、定年を機に仕事、お金、住まい、人間関係、時間の使い方を見直したい方にも、ぜひ読んでほしい一冊です。 YouTubeチャンネル「大杉潤のYouTubeビジネススクール」でも、人生100年時代の働き方、定年後キャリア、資産形成、ライフスタイルなど、仕事と人生を豊かにする情報を発信しています。ぜひチャンネル登録をしてご覧ください。 https://www.youtube.com/channel/UCIwJA0CZFgYK1BXrJ7fuKMQ では、今日もハッピーな1日を!【4194日目】 プレゼン技術・整理法