「国家はあなたを助けない。だが、『逃げ道』はある。」― 本書は、インフレと景気停滞が同時に進む「日本型スタグフレーション」の時代を前提に、資産を守り、増やすための具体的な戦略を、小説と金融リテラシーを組み合わせながら解説した一冊です。

本日紹介するのは、1959年生まれ、早稲田大学卒業。2002年、国際金融小説『マネーロンダリング』でデビュー。同年、『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』が30万部を超えるベストセラーとなり、「新世紀の資本論」と高く評価されました。『言ってはいけない 残酷すぎる真実』で2017年新書大賞を受賞し、『新・貧乏はお金持ち』『テクノ・リバタリアン 世界を変える唯一の思想』など数多くの話題作を発表している作家、橘玲さんが書いた、こちらの書籍です。

橘玲『プアジャパン インフレ世界を生き抜く資本戦略』(プレジデント社)

 

本書は、物価上昇が続く一方で実質所得が伸びず、日本社会が「スタグフレーション」の時代へ向かうという前提に立ち、その中で個人がどのように資産を守り、生き抜いていくべきかを具体的に提示した実践的な金融・経済書です。

この本の冒頭で著者は、近未来小説という形式を用いて、日本人が直面するインフレと貧困の未来像を描いています。

現役世代の所得は思うように増えず、年金だけでは生活が難しくなる社会において、「国家が守ってくれる」という幻想を捨て、自ら資本戦略を考える必要があると訴えています。

 

本書は以下の5部構成から成っています。

1.〈近未来小説〉日本人を待っていた浅い眠り 2026年版

2.プアジャパンの現実と日本型スタグフレーション

3.金利と為替を理解する

4.インフレ時代の資産運用術 初級者編

5.インフレ時代の資産運用術 上級者編

 

本書の前半では、日本経済の現状と課題が整理されています。主なポイントは以下の通りです。

◆ 日本型スタグフレーションとは何か

◆ インフレが家計に与える影響

◆ 実質所得が伸びない構造的な要因

◆ 年金だけでは生活が難しくなる背景

◆「プアジャパン」が現実味を帯びる理由

 

この本の中盤では、資産運用の基礎知識が解説されています。主なポイントは次の通り。

◆ 金利と為替の基本的な仕組み

◆ インフレ時代に現金だけを保有するリスク

◆ 資産を分散して保有する重要性

◆ 初心者でも理解できる資産運用の考え方

◆ 世界経済を意識した資産配分の視点

 

本書の後半では、より実践的な資本戦略が紹介されています。主なポイントは以下の通りです。

◆ インフレ時代に有効な投資対象

◆ デリバティブを含む資産運用の考え方

◆ 自分自身を最大の資産として考える視点

◆「守る投資」と「攻める投資」の使い分け

◆ 激動の時代を生き抜くための資本戦略

 

本書の魅力は、単なる投資本ではなく、日本経済の構造変化を踏まえた「生き方」の提案になっていることです。

橘氏らしい鋭い分析に加え、近未来小説という読みやすい形式を取り入れることで、数字だけでは伝わりにくい未来の姿を具体的にイメージさせてくれます。そのうえで、資産形成やリスク管理の基本から応用までを幅広く解説しており、金融リテラシーを高めたい読者にとって実践的な内容となっています。

私自身も資産形成や新NISA、長期分散投資について日頃から情報発信していますが、本書は「インフレ時代」という新しい環境にどう対応するかを考えるうえで、多くの示唆を与えてくれました。現役世代はもちろん、定年前後の方、年金生活を見据えている方にもぜひ読んでいただきたい一冊です。

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では、今日もハッピーな1日を!【4152日目】