「日本は、このまま人が減り続けて、本当に社会は回っていくのか?」― そんな根源的な問いを、真正面から突きつけてくる一冊です。
本日紹介するのは、移民政策・多文化共生・外国人受け入れの分野で長年研究と実践を重ねてきた専門家、毛受敏浩(めんじゅ・としひろ)さんが著した、こちらの書籍です。
毛受敏浩『移民1000万人時代 2040年の日本の姿』(朝日新書)
本書のテーマは、極めてシンプルで、同時に重いものです。それは「人口激減社会の日本は、移民なしに成立するのか?」という問い。日本では毎年100万人規模で人口が減少する一方、すでに約395万人の外国人が暮らしています。
にもかかわらず、「移民」という言葉は今なおタブー視され、正面からの議論は避けられてきました。著者はその現実に真正面から向き合い、2040年という近未来を具体的に描き出します。
本書は、以下の8部構成から成っています。
1.移民1000万人は2040年代に
2.人口激減は移民でしか埋まらない
3.「移民」議論から逃げる政府
4.実質的移民政策は始まっている
5.移民受け入れのリスクに耐える
6.移民がもたらす未来への光明
7.地方自治体が率先する移民受入れ
8.移民受入れ後の未来
本書の前半では、日本が直面している人口問題の現実が、冷静かつデータに基づいて示されます。主なポイントは以下の通りです。
◆ 年間100万人規模で進む人口減少
◆ 社会インフラは人手不足ですでに限界
◆ 出生率回復だけでは追いつかない現実
◆ 移民を「想定しない政策」の限界
◆ すでに始まっている事実上の移民国家化
この本の中盤では、日本政府や社会が「移民」という言葉から逃げ続けてきた構造が明らかになります。主なポイントは次の通り。
◆「技能実習」「特定技能」による擬似的移民政策
◆ 国としての明確なビジョン不在
◆ 移民を受け入れているのに、認めない矛盾
◆ 国民的議論を避けてきたツケ
◆ 現場(自治体・企業)が先行する現実
本書の後半では、移民受け入れのリスクと可能性の両面が描かれます。主なポイントは以下の通りです。
◆ 文化摩擦や社会的コストという現実的課題
◆ それでも避けて通れない移民受け入れ
◆ 多文化共生がもたらす経済と社会の活力
◆ 地方自治体が果たす重要な役割
◆ 移民とともに生きる日本の新しい姿
この本を読んで強く感じるのは、「移民を受け入れるか否か」ではなく、「どう受け入れるか」が問われているということです。移民問題は、感情論でも理想論でもなく、人口・経済・社会保障・地域社会すべてに直結する現実の問題。見て見ぬふりを続けるほど、選択肢は狭まっていきます。
日本の15年後を、自分ごととして考えたい方、人口問題、地方の未来、働き手不足に関心のある方にとって、避けて通れない視点を与えてくれる一冊です。
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