「人は老いるのが当たり前」― そう信じてきた私たちの常識が、静かに揺さぶられる一冊です。

本日紹介するのは、オートファジー研究の世界的権威であり、老化研究の最前線を長年リードしてきた吉森保さんが書いた、こちらの書籍です。

吉森保『私たちは意外に近いうちに老いなくなる』(日経BP社)

 

本書のキーワードは、とても刺激的です。それは ―「老いは、必然ではなく、制御できる現象になりつつある」という事実。

不老不死の夢物語ではありません。世界中の第一線研究者への取材を通して明らかになったのは、老化の正体が少しずつ「分解」され、どこに手を入れれば老化を遅らせられるのかが、科学的に見えてきたという現実です。

本書は、以下の10部構成から成っています。

1.老化を止めるオートファジー

2.体全体が老化することと細胞が老化することとは別

3.「免疫」は、「自分」と「他人」を厳格に区別する

4.皮膚は環境による老化の影響が特に大きい臓器

5.ハダカデバネズミは、人間にたとえると数百歳生きる

6.老化を遅らせ、寿命を延ばすかもしれないNMN

7.100歳以上生きる人とそうでない人の違いを調べている機関がある

8.病気のゲームチェンジャーとなる可能性がある「構造生物学」

9.老化研究に最適なのは、「魚」?

10.睡眠が不足すると、廊下は加速する

 

本書の前半では、「老化とは何か」という根本的な問いが整理されます。主なポイントは以下の通りです。

◆ 老化の最大の敵は「慢性炎症」

◆ 老化は一つの原因ではなく、複数の現象の重なり

◆ 免疫の衰えが、老化を加速させる

◆ 老化を知ることで、生命科学の全体像が見えてくる

◆ 長生きの人ほど、体内の炎症が少ない

 

この本の中盤では、老化を食い止める鍵として注目される最先端研究が紹介されます。主なポイントは次の通り。

◆ オートファジーは、細胞の「掃除機能」

◆ オートファジーの低下が老化を加速させる

◆ 老化細胞は「悪」ではなく、役割もある

◆ NMNは万能薬ではなく、使い方が重要

◆ 百寿者は「病気になりにくい遺伝子」を持つ傾向がある

 

本書の後半では、私たちの生活と老化研究がどうつながるかが語られます。主なポイントは以下の通りです。

◆ 紫外線は皮膚老化の最大要因

◆ 睡眠不足は、確実に老化を早める

◆ 老化研究は、がんや難病治療にもつながる

◆ 「若返り」は夢物語ではなく、研究対象になっている

◆ 老化を遅らせることで、健康寿命は確実に延びる

 

この本を読んで強く感じるのは、「老いは運命ではなく、理解すべき現象になった」という時代の転換点です。もちろん、すぐに老いなくなるわけではありません。
しかし、老化の仕組みを正しく知ることで、無駄に恐れる必要はなくなりますし、日々の選択 ― 睡眠、食事、紫外線対策、生活リズム― が、未来の自分の体を形づくっていることが、はっきりと見えてきます。

健康や長寿に関心のある方はもちろん、「これからの人生をどう生きるか」を考えたいすべての人に、知的なワクワクと安心感を与えてくれる一冊です。

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では、今日もハッピーな1日を!【3963日目】