「いかに儲けるか」ではなく、「いかに幸福になるか」ー そんな問いを、経済のど真ん中に据えた一冊があります。

本日紹介するのは、大学卒業後に高野山で修行に入り、1984年に真言宗総本山醍醐寺伝法学院で得度究極の荒行といわれる千日回峰行で開眼し、その後は脳科学・心理学・東洋医学なども統合しながら、独自の開運理論「ラックマネージメント」を確立。上場企業経営者、国会議員、アスリートなどを指導する「運」と「経済」の成長戦略コンサルタントとして活躍している松永修岳 さんが書いた、こちらの書籍です。

松永修岳『ブッダ究極の経済学Ⅱ~「奪う経済」から「与える経済」へ~』(かざひの文庫)

本書は、ブッダの教えをベースにしながら、現代のビジネスや経済活動を「幸福」という視点で再定義した一冊です。

成功は、「運(徳分)」と「実力(能力・努力)」に加えて、「見えない世界(ディップの力)」が必要で、この3つをいかに高めるかー この発想自体が、これまでの経済書とは一線を画しています。

本書は以下の4部構成から成っています。

1.ブッダの幸福経済学

2.「運氣」を上げてビジネスを成功に導く

3.未来の成果につながるビジネス習慣

4.ダルマが教える「正しい人間関係」

 

本書の前半では、ブッダが教えるビジネスを成功に導く「4つの因子」が語られます。それは、成長や競争を否定するものではなく、人々が幸福を感じられる社会を実現するための経済です。主なポイントは以下の通りです。

◆ ①挑戦、②感謝、③向上心、④利他心という4つの因子

◆「知る(知識)」だけでなく、行動・実践するのが「学ぶ」こと

◆ 幸福感より重要なのは、「やり切った」という充実感

◆ 自分の才能や能力は、気づかせてもらうもの

◆ 人は感謝されると脳と心が成長する、「感謝」がブッダの幸福経済学のベース

 

この本の中盤では、ビジネスにおける「運氣」というテーマが具体化されます。努力や戦略だけでは説明できない成果の差を、著者は「見えない世界との関係性」から読み解きます。主なポイントは次の通り。

◆ 運は偶然ではなく、競争より協力が運気を上げる

◆ 与える行為が、巡り巡って自分に返ってくる仕組み

◆ ストレスを減らすことで「開運ホルモン」のセロトニンが増え、睡眠力が上がる

◆ 神々やスピリッツといった目に見えない神聖な存在の協力を得る

◆ 瞑想すると脳の働きが変わる

 

本書の後半では、人間関係と経済活動の深い結びつきが語られます。ブッダの教えは、人と人との関係性を整えることが、結果的に社会と経済を豊かにすると説きます。主なポイントは以下の通りです。

◆「最善結果到来」で未来を心配しない、後悔しない

◆ 一人でいる時間を持つ習慣

◆ 毎日瞑想を行うことで、心と脳のコンディションが良くなり、運気があがる

◆ 経営者は徳を積むこと、徳を積むことで人間力が高まる

◆ 徳があり分かち合える人は「信頼」を得て運気が上がり、利益をもたらす

 

本書は、スピリチュアルな要素を含みながらも、現代のビジネスや人生に応用できる「思考の軸」を与えてくれます。成果を追い求めるほど、なぜか満たされない。そんな違和感を抱えている人にとって、「与える経済」という視点は、大きな転換点になるはずです。

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では、今日もハッピーな1日を!【3949日目】