書評ブログ

『「新」富裕層ビジネスの教科書』

「富裕層を相手にするのは難しい」――そう思い込んでいませんか?
しかし “彼らが何を求めているのか” を知れば、ビジネスは一気に動き出す。

富裕層向けの仕事をしていなくても、その考え方や行動原理を理解するだけで、あなたのビジネスは確実に変わります、と述べている本があります。

本日紹介するのは、ここ6年間でじつに1000人以上の富裕層に直接会い、徹底的に聞き続け、富裕層カードで知られるセゾンAMEXのプレミアムビジネスを立ち上げ、ブラックカード事業まで手掛けた実務家である岸田大輔さんが書いた、こちらの書籍です。

岸田大輔『「新」富裕層ビジネスの教科書』(集英社インターナショナル)

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富裕層は閉ざされた特別な存在ではなく、価値観と意思決定の基準が違うだけの存在です。この本は、そんな著者が富裕層との対話から導いた「19の興味カテゴリー」「10のキーワード」「富裕層が惹かれる本質」を体系化した、“リアルすぎる富裕層ビジネスの教科書”です。

本書は以下の6部構成から成っています。

1.富裕層について

2.「多様化する富裕層」を理解する

3.富裕層から学んだビジネスの心得

4.新富裕層を惹きつける秘密の法則

5.私たちが目指す富裕層ビジネス

6.1000人の富裕層から学んだ大切なこと

本書の前半では、「そもそも富裕層とは誰か?」が立体的に語られます。主なポイントは以下のとおりです。ここだけでも、一般的な富裕層像とのギャップに驚かされます。

◆ 富裕層は“ひとつの塊”ではなく、世界観が極めて多様

◆ 生活者としての価値観よりも、“体験・ストーリー・時間価値” を重視

◆ 成金・相続・起業家・プロフェッショナル……分類でニーズが変わる

◆ 「お金」よりも「信用」「関係性」「世界観」への投資が中心

◆ “価格の高さ” ではなく “共感” で動くのが新富裕層

この本の中盤では、著者が1000人の富裕層から学んだ “成功する人の共通項” が紹介されています。主なポイントは次のとおりです。読んでいて、一般の営業論やマーケティング論とは明らかに違う“深い視点”が多く得られます。

◆ 富裕層は「自分が何者か」を知ることに時間を惜しまない

◆ 情報ではなく “質問の質” で人生を変えている

◆ 本物のコミュニティは “紹介” でしかつながらない

◆ 富裕層は“面白い人”ではなく、“誠実で継続する人” に惹かれる

◆ 営業は「売り込む」のではなく「価値を示す」こと

本書の後半では、“新富裕層を惹きつける法則” がさらに具体化されます。主なポイントは以下のとおりです。読者は、富裕層が求める “本質的価値” が何かを直感的に理解できます。

◆ 富裕層は「同じ価値観の人」としか長期的に関係を築かない

◆ 提供すべきはサービスではなく「世界観と時間」

◆ 10のキーワードが富裕層の行動を左右する

◆ 富裕層向けには “価格戦略” より “ストーリー戦略” が重要

◆ 顧客に寄り添う “伴走者の姿勢” が信頼を生む

本書は「富裕層ビジネス」だけの本ではありません。価値観の多様性・顧客理解・関係性の構築・ストーリーの設計・時間価値の最大化など、ビジネスのあらゆる分野に応用でき “思考の型” が得られる一冊です。

とくに「質問する力」「聞き抜く力」を軸にしたアプローチは、どんな業種・職種の人にとっても即効性があります。“富裕層の本質” を知ることで、あなた自身の価値提供もアップデートされるはずです。

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では、今日もハッピーな1日を!【3920日目】