「老衰が病気を招き、病気が老衰を加速させるのです。」「つまり、老衰と病気を厳密に区別するのは、高齢であればあるほど困難なのです。」と述べて、「幸せな老衰」という生き方を提唱する一冊があります。
本日紹介するのは、1973年岐阜県生まれ、東海大学医学部卒業後、名古屋大学大学院で医学博士を取得。腎臓専門医・透析専門医として20年以上にわたり臨床の最前線に立ち、現在は医療法人偕行会城西病院副院長、聖隷クリストファー大学臨床教授として高齢者医療と看取りに携わる現役医師・石川英昭(いしかわ・ひであき)さんが書いたこちらの書籍です。
石川英昭『幸せな老衰 医師が伝える叶えるための「3つの力」』(光文社新書)
この本は、老いの旅路を穏やかに、そして幸せに歩むために必要な「3つの力」――
「丁寧に過ごす力」「頼る力」「諦める力」――を医師の視点からわかりやすく説いた一冊です。
現役の “看取り医” である著者は、2万人を超える高齢患者と向き合うなかで、“幸せな最期” には共通する生き方の習慣があることに気づいたといいます。
本書は以下の6部構成から成っています。
1.「幸せな老衰」は一日にして成らず
2.医療の限界を知っておきましょう
3.几帳面は長寿の秘訣か――「老衰の夜明け」の時期を丁寧に過ごそう
4.老衰を加速させないために大切なこと
5.遠慮せず、勇気を持って誰かを頼る
6.実例から学ぶ、「3つの力」の使いどころ
本書の前半では、「『幸せな老衰』は一日にして成らず」および「医療の限界を知っておきましょう」について解説しています。主なポイントは以下の通りです。
◆ 「老衰」は病気ではなく、命の自然な終わり方である
◆ 医療の延命には“限界”があり、最期をどう迎えるかが人生の質を決める
◆ 穏やかな老衰を迎える人ほど、几帳面で誠実な生活を送っている
◆ 天寿をまっとうするためには“日々の丁寧さ”が重要
◆ “幸せな死”は、結局“幸せな生き方”の延長線上にある
この本の中盤では、「几帳面は長寿の秘訣か――老衰の夜明けの時期を丁寧に過ごそう」および「老衰を加速させないために大切なこと」を中心に、老いと向き合うための具体的な行動が紹介されます。主なポイントは次の通りです。
◆ 規則正しい生活が老化の速度を遅らせる
◆ 栄養・運動・睡眠よりも“感謝の心”が寿命を延ばす
◆ 「体調の変化を自分で観察する習慣」が健康長寿の鍵
◆ 老衰を防ぐのではなく、“穏やかに受け入れる準備”をする
◆ 何歳になっても「小さな楽しみ」を持ち続けることが重要
本書の後半では、「遠慮せず、勇気を持って誰かを頼る」および「実例から学ぶ、『3つの力』の使いどころ」というテーマのもと、“幸せな老衰” を叶えるための生き方を提示しています。主なポイントは以下の通りです。
◆ 一人で抱え込まず、“頼る勇気”を持つことが幸福につながる
◆ 諦めることは「投げ出すこと」ではなく「受け入れること」
◆ “感謝を言葉にできる人”ほど穏やかな最期を迎える
◆ 医師・家族・地域との関係が“老衰の質”を左右する
◆ 「3つの力」をバランスよく育てることが、幸せな最期の条件
本書の魅力は、“死を語ること”を恐れず、“生をより良く生きるための学び” として老衰を捉えている点にあります。
「丁寧に過ごし、誰かを頼り、上手に諦める」――この3つの力は、老いを恐れる私たちに希望を与え、人生の締めくくりを穏やかで意味あるものにしてくれるでしょう。
人生100年時代における “最期のマネジメント” を考える上で、必読の一冊です。
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では、今日もハッピーな1日を!【3891日目】

 
											 
							
							
							
															 
							
							
							
															 
							
							
							
															 
										
					








