「どうしてもやめたいのにやめられない」「やった方がいいのにできない」――そんな自己破壊的行為の正体に迫り、感情に振り回されず戦略的に生きる方法を示す一冊があります。
本日紹介するのは、アメリカ出身・在住の著述家・詩人であり、ショートエッセイ集『101 Essays That Will Change The Way You Think』などで世界的に注目を集め、ウェブメディア「Thought Catalog」のパートナーとして執筆や編集にも携わるブリアンナ・ウィースト(Brianna Wiest)さんが書き、翻訳者として『LISTEN』『脳の外で考える』『限界を乗り超える最強の心身』など数々の話題書を手掛けてきた松丸さとみ(まつまる・さとみ)さんが翻訳を担当したこちらの書籍です。
ブリアンナ・ウィースト『感情戦略』(日経BP)
この本は、人間が無意識のうちに陥る「自己破壊的行為」の背景にある感情の仕組みを解き明かし、理性に基づいて生きるための実践的方法を提示しています。
本書は以下の7部構成から成っています。
1.やればプラスになることをやらないことには、必ず理由がある
2.あなたが心から求めていることを探らないと、人生は悪化する
3.感情を呼び起こす状況を避けると慢性的な問題になる
4.「人生をがらりと変えてくれる」ものは存在しない
5.成長のためには、過去の傷を未来へと断固として持ち越さない
6.「状況に応じてかぶる仮面」に飲み込まれていないか
7.心配は、「本当の問題」から気をそらすため
この本の冒頭で著者は、人が「できない」のは怠惰でも無能でもなく、感情が覆い隠している理由があるからであり、そこに向き合わなければ本当の人生は始まらないと強調しています。
本書の前半では、「やればプラスになることをやらない理由」および「人生を悪化させる感情回避」について解説しています。主なポイントは以下の通りです。
◆ 自己破壊的行為の背後には感情が隠れている
◆ 現実から目をそらすと他者を責めるようになる
◆ 「自分を愛する」という言葉に甘えるのは誤解を招く
◆ 不快な感情を味わうことが成長につながる
◆ 安心感から切り離して理性で判断することが大切
この本の中盤では、「感情がもたらす慢性的問題」と「変化の本質」について論じています。主なポイントは次の通りです。
◆ 「恥」や「嫉妬」「後悔」が自己理解の入口になる
◆ 感情を信じすぎることは危険である
◆ 人生を変えるのは小さな積み重ね(マイクロシフト)
◆ 他人の人生の助手席に座ると主体性を失う
◆ 感情を回避せず、真正面から向き合うことが必要
本書の後半では、「過去の傷の手放し」「仮面の自己との決別」そして「人間関係の質」がテーマとして扱われます。主なポイントは以下の通りです。
◆ トラウマを持ち越さず未来を生きる覚悟が必要
◆ 心を癒すとは不快で破壊的な取り組みを含む
◆ 脆さを受け入れることで人は強くなる
◆ 他者の感情を認めることは自分の感情を認めることにつながる
◆ 人生経験の質は人間関係の質で決まる
この本の締めくくりとして著者は、「感情を信じて生きるのではなく、感情を理解したうえで理性に基づき戦略的に選択することこそが、人生を最高にする」と述べています。
自己破壊を繰り返す自分を変えたい人、感情に左右されず自分らしく生きたい人にとって、本書は必読の指南書です。
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では、今日もハッピーな1日を!【3863日目】