「心が折れる音、聴いたことありますか?」――そんな問いかけから始まる、壮大な夢と苛烈な現実に挑んだビジネスノンフィクションがあります。
本日紹介するのは、神戸大学卒業後、P&Gに入社し、米国本社勤務を経てユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)に参画、高等数学を用いた独自の戦略理論「森岡メソッド」で経営を劇的に再建した後、2017年にマーケティング精鋭集団「株式会社刀」を設立した森岡毅(もりおか・つよし)さんが書いたこちらの書籍です。
森岡毅『心に折れない刀を持て ジャングリア沖縄、誕生までの挫折と成長の物語』(ダイヤモンド社)
この本は、構想10年以上をかけて2025年7月25日に沖縄北部に開業した大型テーマパーク「JUNGLIA OKINAWA(ジャングリア沖縄)」の誕生までを描いた記録です。成功体験を重ねた著者と仲間たちが、資金調達の困難、想定外の外部環境の悪化、仲間の離脱といった数々の逆境を経ながら、決して心を折らずに挑戦を続ける姿を克明に綴っています。
本書は以下の8部構成から成っています。
1.決意
2.旗揚
3.苦悶
4.覚悟
5.進撃
6.衝撃
7.絶望
8.不屈
この本の冒頭で著者は、「挑戦とは、失敗するか成功するかではない。心が折れたらそこで終わりだ」と語ります。沖縄という地に挑む理由、そして心が折れそうになる瞬間にどう立ち向かうかが、全編を通じたテーマになっています。
本書の前半では、「決意」「旗揚」「苦悶」について描かれています。主なポイントは以下の通り。
◆ 沖縄を舞台に選んだ背景には、日本を元気にするための大義があった
◆ 成功体験がもたらす慢心を排し、ゼロから挑戦する覚悟を固めた
◆ 狼のような仲間たちと共に、理念を共有し刀を研ぎ澄ませていった
◆ 資金や環境の制約を逆手に取り、独創的な事業モデルを模索した
◆ 苦境に直面しても、“楽観”ではなく“胆力”で乗り切る姿勢を貫いた
この本の中盤では、「覚悟」「進撃」「衝撃」について物語が進みます。主なポイントは次の通りです。
◆ 再挑戦の意味を問い直し、組織の拡充と人材戦略を強化した
◆ 他事業での成功例を積み上げ、刀グループ全体の信頼と資金力を高めた
◆ 新型コロナウイルスという“100年に一度の災厄”により沖縄観光が壊滅的打撃を受けた
◆ 積み上げた計画が崩れ、投資家や関係者の離脱が相次ぐ中で立て直し策を探った
◆ 組織と事業を守るために、土砂降りの中でも火を絶やさぬ意思を持ち続けた
本書の後半では、「絶望」「不屈」に至る過程が描かれています。主なポイントは以下の通りです。
◆ 資金調達のための総力戦に挑み、リード投資家探しに奔走した
◆ 「JUNGLIA」という名前に込めたビジョンと体験設計を明確化した
◆ 国際情勢の変化による金融環境悪化で最大の支援が失われ、仲間の離脱が加速した
◆ 究極の選択を迫られながらも、“心に折れない刀”を胸に再起を誓った
◆ 想いが繋がり、ついに沖縄の地で夢が現実となる瞬間を迎えた
この本の締めくくりとして著者は、「挑戦とは、何度倒れても立ち上がること。心が折れなければ、挑戦は続く」と述べています。成功や失敗という結果よりも、挑み続ける姿勢こそが人生を豊かにすると強く訴えかける内容になっています。
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では、今日もハッピーな1日を!【3823日目】