書評ブログ

『反逆の仕事論 AI時代を生き抜くための”はみ出す力”の鍛え方』

「マジメさ」では生き残れない時代がやってくる――そんな警鐘とともに、AI時代に求められる “はみ出す力” を提唱する、これからの働き方に関する戦略書があります。

本日紹介するのは、1989年岐阜県羽島市生まれ、早稲田大学文学部卒業後、外資系コンサルティングファームに勤務し、現在はテクノロジー部門のシニアマネージャーを務めるとともに、SF作家・東京大学大学院客員准教授としても活躍する樋口恭介さんによるこちらの書籍です。

 

樋口恭介『反逆の仕事論 AI時代を生き抜くための”はみ出す力”の鍛え方』(PHP研究所)

 

この本は、「AIを使えることが武器になる時代の終焉」を見据え、人材としての価値を担保する “新しい働き方の発想” を提案します。

 

本書は以下の5部構成から成っています。

1.マジメな社員「から」淘汰されていく

2.今後生き残る「正しくはみ出せる人材」像とは

3.上手にはみ出すための「妄想力」の高め方

4.妄想と現実をつなぐSFプロトタイピング

5.周りを巻き込む力を補うコツ

 

この本の冒頭で著者は、「AIを活用できることが武器になる時代はもう終わった。これからは“誰でも使える時代”になる」と述べ、人間に求められる新しいスキルとして “はみ出す力” を強調しています。

 

本書の前半では、以下の通り、「マジメでルールを守る社員ほど危うくなる」という逆説が語られます。

◆ AI活用が標準化され、差別化要因にならなくなる

◆ プレゼン・資料作成などの業務がAIに代替される

◆ 「マジメ」や「器用」だけでは雇う意味が薄れる

◆ これからは“個性”と“逸脱”が武器になる

◆ 組織に従順な人材がむしろリスクになる

 

本書の中盤では、AI時代において価値を生み出す人材の特徴が語られます。主なポイントは次の通りです。

◆ 妄想力を持ち、アイデアを創出できること

◆ 経験や知識の「異質な掛け算」が生む創造性

◆ 自分の理想を「構想」から「設計」へ落とし込む力

◆ 正解のない問いに挑む姿勢こそが価値

◆ はみ出し方にも“戦略”と“知性”が必要

 

本書の後半では、SFプロトタイピングという手法や、周囲を巻き込む技術について、実践的なアプローチが展開されます。主なポイントは以下の通りです。

◆ SF的発想で未来を構想し、現実に近づける

◆ アイデアを“未来の現実”として語る力

◆ 妄想を言語化することで、協力者を得る

◆ テクノロジーと創造性の融合が鍵になる

◆ 「何ができるか」ではなく「何をやるか」が問われる

 

この本の締めくくりとして著者は、「AIによって人間が不要になるのではなく、“AIを超えた価値”を創造できる人間だけが残る」と語ります。

読み終えたとき、「はみ出すこと」こそが生存戦略であるという、新しい働き方への道が明確になります。AI時代を “自分らしく” 生き抜きたい人にとって、必読の一冊です。

 

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では、今日もハッピーな1日を!【3790日目】