書評ブログ

『退職・転職前後にやっておくべき「お金」のチェックノート』

「退職や転職をきっかけに、“もらえるお金”を取り逃していませんか?」――そんな問いかけに、実務経験に裏打ちされた確かな知識で答えてくれる ライフイベント対応マニュアル” があります。

本日紹介するのは、1965年神奈川県出身、立教大学経済学部卒業、教育系出版社、健康保険システムITベンダー、中小企業協同組合、人材派遣会社などに社会保険労務士として20年以上勤務、退職・転職に直面した多くの人々をサポートしてきた島田弘樹さんが書いた、こちらの書籍です。

島田弘樹『退職・転職前後にやっておくべき「お金」のチェックノート』(ぱる出版)

この本は、退職や転職時に必要となる“年金・税金・雇用保険・健康保険”などの申請手続きや注意点を、実務経験豊富な著者がわかりやすく解説した実用書であり、読者が損をせず円滑に人生の転機を乗り越えるための指南書となっています。

この本の冒頭では、「退職後のお金に関する手続きは、基本的に“自分から動かないと何も始まらない”」という現実を提示し、申請主義である日本の社会制度の中で損をしないための準備の重要性が強調されています。

本書は以下の7部構成から成っています。

1.退職・転職を上手に進めるための常識&マナー

2.失業給付金はいくらもらえるの?

3.再就職までブランクがあったら健康保険はどうなるの?

4.自分から動かないともらえない大切な年金受給の進め方

5.退職・転職したら所得税や住民税はどうするの?

6.自分の実力を最大限に発揮し転職を成功させるキャリアアップ思考

7.退職・転職に直面したときに考えておきたいこと

 

本書の前半では、「円滑な退職・転職の進め方」および「雇用保険に関する注意点」について、以下のポイントが明確に示されています。

◆ 退職は“辞め方”で印象が決まる──社会人としてのマナーを心得ておくべき

◆ 雇用保険の失業給付は、条件を満たせば自己都合でも支給される

◆ 退職後のスケジュール管理が、次のキャリアに直結する

◆ 給付額・受給期間・申請時期の見極めが、生活設計に大きく影響する

◆ 自己都合・会社都合の違いが、受給タイミングと金額に差を生む

 

この本の中盤では、「健康保険・年金・税金の手続き」について、制度の最新動向を踏まえつつ、わかりやすく解説されています。主なポイントは以下の通りです。

◆ 健康保険は“任意継続”と“国保”のどちらが得かを比較する必要がある

◆ 年金は“退職時の加入記録”が重要であり、提出書類にも注意が必要

◆ 住民税の“退職翌年課税”に備えることで、急な出費を防ぐ

◆ 年金受給は手続きをしないと始まらない、“もらい忘れ”を防ぐ意識が大切

◆ 所得税の「年末調整がされない状態」で退職する場合は確定申告が必要になる

 

本書の後半では、「キャリア設計・人生設計としての退職戦略」および「時代背景に即した考え方」が展開されています。主なポイントは以下の通りです。

◆ キャリアの棚卸しには、“書くこと”と“自問”による内省が必要不可欠

◆ 戦略的退職とは、“将来からの逆算”で人生設計を考えること

◆ 希望退職制度にはメリット・デメリット双方がある

◆ 転職は“人生を再構築する”機会と捉え、準備と情報収集が成功の鍵

◆ 「転職が当たり前」の時代に、社会保障の知識は“人生防衛術”になる

 

この本の締めくくりとして著者は、「人生の節目には、“制度を知り、主体的に動く”ことが、損をしない最も現実的な方法である」と述べています。

社会保険や税制度という、つい後回しにしがちなテーマを、図表とともにやさしく、しかし実践的に解説した本書は、まさに「退職・転職の実務ハンドブック」と呼ぶにふさわしい一冊です。

あなたも本書を手に取り、人生の大きな転機をチャンスに変える「お金と手続きの戦略」を、いまこそ見直してみませんか?

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では、今日もハッピーな1日を!【3776日目】