「坂本は、ミュージシャンだけでなく作家、批評家、芸人、ジャーナリストなど、幅広い分野の人々と交流があった。本書では、対談や座談会などで彼が誰かに向けた発言を選んでいる。」と述べている本があります。
本日紹介するのは、1963年生まれ、文芸・音楽評論家の円堂都昭さんが書いた、こちらの書籍です。
円堂都昭『坂本龍一語録:教授の音楽と思考の軌跡』(ぱる出版)
この本は、坂本龍一が残した言葉を解説し、彼の多面性、全体像に近づこうとする試みの書です。
本書は以下の3部構成から成っています。
1.音楽
2.文化
3.社会
この本の冒頭で著者は、「本書が、坂本龍一と出会い直す一つの機会となれば幸いだ。」と述べています。
本書の前半では、「音楽」について以下のポイントを説明しています。
◆ 細野晴臣:YMOは少々乱暴に扱ってもいい
◆ 高橋幸宏:全ては楽しい思い出として残っている
◆ デヴィッド・ボウイ:日本のアンバランスなところをたくさん見ていって
◆ 忌野清志郎:音楽って、社会とか時代によって機能が変わる
◆ 小室哲哉:日本人の耳を教育しちゃったところがある
この本の中盤では、「文化」について解説しています。主なポイントは次の通りです。
◆ 中上健次:もう地球上に原始はないというのはわかりきってる
◆ 大嶋渚:あなたのよ社会日本を厳しく叱る人間がいなくなり、日本はつまらない国に
◆ ビートたけし:映画っておもちゃになりそう?
◆ ダウンタウン:好きな人としかやらない
◆ 村上龍:論理の面で同じ土俵に立ってない
本書の後半では、「社会」について説明しています。主なポイントは以下の通りです。
◆ 柄谷行人:素晴らしいじゃないですか、啓蒙は
◆ 筑紫哲也:音楽をつくっている本人は純粋な気持ちだったとしても、使い方でどういうふうにもなる
◆ 鈴木邦男:日本人である自分にしかできない音楽をやるように心掛ける
◆ 東北ニュースオーケストラ:震災のあと、音楽をやることで、みんながつらい毎日を何とか乗りこえてこられたのかな
この本の巻末に、「YMOの/と坂本龍一:環境と歴史、切断と警鐘の間で」というテーマの解説記事および「主要参考文献一覧」が掲載されています。
本書の締めくくりとして著者は、「坂本の言葉のなかには、過去と晩年で矛盾しているように思われるものがある。」「彼の変化が日本や世界の変化を映していた面もあるのが、興味深い。」と述べています。
あなたもこの本を読んで、坂本龍一の魅力を改めて捉えなおしてみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!【3576日目】