「だましだましやってきた日本経済は、はっきりと国力低下の時代を迎えている。生きづらい時代が始まっているのだ。」と述べている本があります。
本日紹介するのは、京都市生まれ、1982年東京大学法学部卒、米国コロンビア大学LL.M、博士(法学)、日本興業銀行、興銀フィナンシャルテクノロジー取締役、アクサ生命保険専務執行役員、日本住宅ローン代表執行役社長、立命館大学教授を経て、青山学院大学法科大学院教授・金融技術研究所長の大垣尚司さんが書いた、こちらの書籍です。
大垣尚司『生きづらい時代のキャリアデザインの教科書』(日本経済新聞出版)
この本は、大きな構造変化に直面している日本社会において、仕事というものを軸に自分の生涯について作戦を練る「キャリアデザイン」をするにあたって押さえておいてほしい情報やヒントを、著者なりの考えに基づいて整理した書です。
本書は以下の3部構成から成っています。
1.キャリアをとりまく社会構造の変化
2.キャリアを考えるためのヒント
3.プチ幸福論 ―何のために働くのか
この本の冒頭で著者は、この本では「おかしいがすぐに変わることはなさそうな何となく生きづらい社会」を前提に、自助のための工夫を提言する、と述べています。
本書の前半では、「キャリアをとりまく社会構造の変化」について以下のポイントを説明しています。
◆ キャリアデザインが必要な時代になった
◆ キャリアを考える出発点は、人生100年時代
◆ メンバーシップ型からジョブ型の雇用へ
◆ 会社や報酬はどう変わっていくのかを見通す
◆ 投資立国がうまくいくかは金融人材の力にかかっている
この本の中盤では、「キャリアを考えるためのヒント」について解説しています。主なポイントは次の通りです。
◆ 配属先は「ガチャ」なので気にしない
◆ 人生に「徒労」という苦労や努力はない
◆ 転職はジョブを磨くためにする、プライベート・ファイルを作っておく
◆ 天職とは、好きなこと、全ての人が複線型のキャリアを狙う時代に
◆ 誰もが起業を経験する時代に
◆ 世代間の利害対立をいかに調整するかが政治の最大課題
◆ 金融投資より自分投資を
◆ 素朴な倫理観を大切にする
本書の後半では、「プチ幸福論 ―何のために働くのか」について説明しています。主なポイントは以下の通りです。
◆ 幸せの尺度をお金から時間へ
◆ キャリアデザインをパートナーシップ単位で考える
◆ リモートワークが可能なネット社会で、人類の歴史上はじめて「職住分離」が可能に
◆ 心を病まないために、強気で生きる、気軽に話せる相手を持つ
この本の締めくくりとして著者は、自分自身のキャリアは「他人と闘わず、昨日、今日の自分とだけ比較する」強気の生き方で自分を尺度にして伸ばしていこう、と述べています。
さらに、「後半のキャリアこそが幸せと直結したものだ」と続けています。
あなたも本書を読んで、生きづらい時代のキャリアデザインを自ら考えてみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!【3538日目】