書評ブログ

『夫と妻の定年人生学』

「銀行員であったわたくしの父親が自らの手で生命を絶ったのは、定年退職後一年目のこと。そのとき、私は娘と同世代の24歳だった。」と述べている本があります。

 

本日紹介するのは、1931年生まれ、慶應大学卒業後、東映入社、日本初女性宣伝プロデューサーになり、「婦人公論読者賞」受賞、以後執筆活動に入った作家、評論家吉武輝子さんが書いた、こちらの書籍です。

 

吉武輝子『夫と妻の定年人生学』(集英社文庫)

 

この本は、実の父が退職後1年で自殺した体験を持つ著者が、夫婦の豊かなリタイア人生を探っている本です。

 

本書は以下の7部構成から成っています。

1.男の人生から肩書きが消える日

2.互いに手を延べあって夫と妻の八十年型人生時代

3.夫だけが経済を担う人生の不幸

4.夫と妻の豊かなシリーズ型職業生活時代

5.職場人間から個人に帰る日

6.ひとり旅で発見した第二の人生

7.わかち合う暮らし、助け合うおかえしの時代

 

この本の冒頭で著者は、「定年退職後の破綻現象が、あれこれ、男たちの口から語られたのは、実に三十余年前のことであった」と述べています。

 

本書の前半では、「男の人生から肩書きが消える日および「互いに手を延べあって夫と妻の八十年型人生時代」ついて以下のポイントを説明しています。

◆ 燃え尽き症候群と空っぽ症候群の夫に妻の地獄

◆ 本来の人格を職業的人格に乗っ取られる

◆ 八十型人生は役割破綻時代

◆ 妻は社会参加、夫は家庭参加を

 

この本の中盤では、「夫だけが経済を担う人生の不幸」「夫と妻の豊かなシリーズ型職業生活時代」および「職場人間から個人に帰る日」について解説しています。主なポイントは次の通りです。

◆ 転職は人生の軌道修正、第二の転業時代

◆ 人生優先型の第二職業生活

◆ 役割固定の分業型から共業型への転換

◆ 個人を抑圧する職場の上下関係

◆ 画一的な常識から個別的な人生観への転換

 

本書の後半では、「ひとり旅で発見した第二の人生および「わかち合う暮らし、助け合うおかえしの時代」ついて説明しています。主なポイントは以下の通りです。

◆ あるがままの自分を受け入れる

◆ 夫の定年と娘の巣立ちが重なる

◆ 生活感覚が未成熟な夫たち

◆ 暮らしを知らない夫の不幸

◆ 定年後の人生はおかえしの時代

 

この本の締めくくりとして著者は、「定年後こそが仁元時代のスタート、夫婦関係の本番の時代」と述べています。

 

あなたも本書を読んで、長寿大国日本で、夫婦は定年後の第二の人生に、どうシフトすればいいのかを考えてみませんか。

 

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では、今日もハッピーな1日を!【3541日目】