「情報を既存の方法で整理整頓して考える人より、とっちらかった情報の中から、突然変異的に情報を組み合わせアイデアを生み出す人のほうが面白い結果を出す」と述べている本があります。
本日紹介するのは、1968年生まれ、上智大学法学部卒、博報堂入社後、コーポレートコミュニケーション局で企業の情報戦略を担当、博報堂ケトルを設立し、現在は博報堂ケトルCEO クリエイティブディレクター、編集者の嶋浩一郎さんが書いた、こちらの書籍です。
嶋浩一郎『嶋浩一郎のアイデアのつくり方』(ディスカヴァー携書)
この本は、著者が情報を羅列するために購入した「モールスキン」というノートを使用して行う情報放牧法と、情報と情報の想定外の出会いから新しいアイデアを生み出すテクニックを紹介・解説している書です。
本書は以下の5部構成から成っています。
1.片づけできない人の味方です!
2.21世紀は片づけできない人の時代
3.ステップ1 とにかく集める!
4.ステップ2 寝かせて、並べる <情報の放牧編>
5.ステップ3 予想外の出会いとアイデアの誕生 <化学変化編>
この本の冒頭で著者は、「一見、関係ないものが結びついたほうがアイデアが斬新。新鮮に見えるし、新しいコンセプトを含むことが多いのです。」「普通に整理整頓していたら決してくっつかなかった情報と情報が出会うと『化学変化』を生むんです。まるで花火のように。」と述べています。
本書の前半では、「片づけできない人の味方です!」および「21世紀は片づけできない人の時代」について以下のポイントを説明しています。
◆ 高度成長期は整理整頓できる人の時代
◆ これまでは「分類整理型」でよかった
◆ 新しい時代の新しいアイデアは「情報の組み合わせ」がないと生まれない
◆ ブレストで大事なことは、アイデアを「かぶせて」いくこと
◆ 整理しない、羅列するだけ、そうすると情報は「交配」する
◆ ラベルは自分の既成概念
◆ 集める ⇒(寝かせる)⇒ 放牧する ⇒ 化学反応を起こさせる ⇒ アイデア
◆ カオスがクリエイティビティを生む
この本の中盤では、「ステップ1 とにかく集める!」および「ステップ2 寝かせて、並べる <情報の放牧編>」について解説しています。主なポイントは次の通りです。
◆ 情報を集める五つの目:①事実、②意見、③分析、④示唆・疑問、⑤表現
◆ 情報源を明記しておく
◆ ギャップが爆発力を生む
◆ 半透明の付箋を貼りまくる
◆ 1カ月寝かすと情報は熟成する
◆ 片づけないために手帳を使う
◆「パラパラ読む」ができる
◆ 興味関心領域が自然に拡大する
本書の後半では、「ステップ3 予想外の出会いとアイデアの誕生 <化学変化編>」ついて説明しています。とくに共感できるポイントは以下の通りです。
◆ 手帳力3つの力:①雑談力、②プレゼン力、③企画力
◆ 企画作業 = 情報の編集 × ひらめき
◆ 異分子がひらめきを与える
◆ 本屋の平積み本をズバリ一言で
◆ 一見関係ない情報に「筋」を通す
本書は、菅付雅信『インプット・ルーティン 天才はいない。天才になる習慣があるだけだ。』(ダイヤモンド社)にて紹介されていて知りました。併せて読むとさらにクリエイティブな発想を磨くことができてオススメです。
この本の締めくくりとして著者は、「注意散漫にあたりを見回し、でも、なんとなく、立てている企画に必要なヒントや情報を予想外の場所から持ってくる力が重要なのではないか」と述べています。集中力より散漫力です。
あなたも本書を読んで、付箋と手帳だけでアイデアが生まれる気鋭のクリエイター発想の秘密を学び、実践してみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!【3448日目】