「どんなに元気で、長生きし、さらに頭脳も明晰な方であっても、残念ながら身体機能は衰えてきますし、一部の知的機能が衰えるのは、誰も避けることができません。」と述べている本があります。
本日紹介するのは、1932年東京都生まれ、東京大学文学部卒業、NPO法人「高齢社会をよくする女性の会」理事長、評論家、東京家政大学名誉教授の樋口恵子さんと、1960年大阪府生まれ、東京大学医学部卒、東京大学医学部付属病院精神神経科助手、米国カール・メニンガー精神医学学校国際フェローを経て、現在は精神科医、国際医療福祉大学大学院教授、川崎幸病院精神科顧問、和田秀樹こころと体のクリニック院長で、30年以上にわたり、高齢者医療の現場に携わっている和田秀樹さんが書いた、こちらの書籍です。
樋口恵子・和田秀樹『うまく老いる 楽しげに90歳の壁を乗り越えるコツ』(講談社+α新書)
この本は、高齢者専門の精神科医で老いの長年のウォッチャーである和田秀樹さんと、90歳を過ぎても現役を続け、また頭脳も明晰な老いの経験者で優等生の樋口恵子先生が対談の形で、「老いの実況中継」をしている書です。
本書は以下の5部構成から成っています。
1.死ぬ気になればー老いの実況中継
2.「老いる」「老いない」の分かれ道
3.医者と91歳評論家が語る「いい医療の見分け方」
4.自由に、私らしく、生きるチャンス
5.嫌老社会 vs. 幸齢者が増える社会
この本の冒頭で著者は、「80歳の人でも85歳の経験はないし、90歳の人でも100歳の経験がないのが老いの特徴です。」と述べています。
本書の前半では、「死ぬ気になればー老いの実況中継」ついて、以下のポイントを説明しています。
◆ 死を意識して生き方が変わった
◆ 健康寿命を延ばしたければ病気を見つけるな
◆ 実際の要介護期間は、男性1.5年、女性3.3年
◆ ピンピンコロリの前の「ヨタヘロ期」
◆ 70代は老いと闘う、80代は老いを受け入れる時期
この本の中盤では、「老いる、老いないの分かれ道」および「医者と91歳評論家が語る いい医療の見分け方」について解説しています。主なポイントは次の通りです。
◆ 前頭葉の衰えで意欲が低下するのが老化の始まり
◆ ものごとを両面から考える、自分の考えを言葉で表現する、いつもと違うことにチャレンジする
◆ 人に誘われたらエイヤッと受ける、億劫でも予定を入れる、おしゃれで心をウキウキさせる、人と話すのは楽しい
◆ 引越しや栄養が「老人性うつ」の原因に
◆ 高齢になったら「人の手を借りる力」を磨く
◆ 老いを遠ざけるアウトプット(人と話す、SNSなど)
◆ 高齢者に必要なのは専門医より総合診療医(かかりつけ医)
◆ 具合をよく聞いてくれるコミュニケーションの取りやすい、フットワークの軽い医者を
◆ 耳が遠くなったら、いい補聴器をつける
◆ 医者に怖がられる患者に
◆ 高齢者から元気を奪う「正常値」至上主義
◆ 80歳を過ぎたら「老人健診」は受けなくていい
◆ 苦痛除去以外の延命治療はしない
◆ 日本人を長寿にしたのは「医療」より「栄養」
◆ 後期高齢者になったら、食べたいものを食べましょう
◆ がんを減らすには免疫力が大事、先進国でがんが増えているのは日本だけ
◆ 禁欲的な生活ではなく、楽しんだり笑ったりしてストレスを減らすこと
本書の後半では、「自由に、私らしく、生きるチャンス」および「嫌老社会 vs. 幸齢者が増える社会」について考察しています。主なポイントは以下の通り。
◆ 老化を遅らせたかったら、引退してはいけない
◆ 人間の心や体の機能はシンプルで、「使わないと衰える」
◆「調理定年」によって食欲が復活して、「生涯食いしん坊」に
◆ 罪悪感は無用、「中食」「外食」を
◆ 健康的な食事のキホンは雑食、いろんなものを食べること
◆ 地域に「ジジババ食堂」があるといい
◆ 命を支える3つの「しょく」=「食」「触」「職」
◆ 長寿県の長野県は高齢者の就業率が断トツに高い
◆「人間、死んでからだよ」の意味は、生きている間の他人の評価は気にしない
◆ リビング・ウィルで今をどう生きるかを明確に
◆ 移動手段がなくなると、要介護率が上がる
◆ 最後まで財布を手放さない、幸齢者になる
この本の締めくくりとして著者は、「生涯現役、一有権者」「生涯現役、一消費者」と述べています。
あなたも本書を読んで、「うまく老いる」コツを学び、実践してみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!【3322日目】