「人生を最後まで豊かに生き抜くためには、自分自身が元気なうちに『75歳からの生き方』を考えておき、できればノートなどに記しておきたいものです。」と述べている本があります。
本日紹介するのは、1954年神戸市生まれ、京都大学法学部卒業、生命保険会社に入社し、人事・労務関係を中心に、経営企画、支社長等を経験、勤務と並行して、「働く意味」をテーマに取材・執筆・講演に取り組んだ後、定年退職して、2018年から4年間、神戸松蔭女子学院大学教授を務め、現在は取材・執筆活動等を行う楠木新さんが書いた、こちらの書籍です。
楠木新『75歳からの生き方ノート』(小学館)
この本は、定年後の60代から新たな仕事に挑戦していたり、80代になっても現役バリバリで働いていたりするなど、第二、第三の充実した人生を過ごしている人たちへの10年、500人以上に及ぶ取材をもとに、75歳以降も、より豊かに生きるための指針や方策を提案するものです。
本書は以下の5部構成から成っています。
1.75歳が新たな分水嶺
2.75歳からの居場所の見つけ方
3.定年後の ”孤立” から抜け出す
4.一生お金に困らない生き方
5.人生の終着点をどう考えるか
この本の冒頭で著者は、「リ・スターティングノート」の2つの重要な項目である「やりたいことリスト」と「自分史ノート」について、自身の記入例を掲載しています。
本書の前半では、「75歳が新たな分水嶺」および「75歳からの居場所の見つけ方」について、以下のポイントを説明しています。
◆ 75歳以降の生き方に関心
◆ 多くの人が80歳まで元気に過ごす
◆ 会社員だった自分との決別が肝心
◆ 75歳から生き直すためには準備が必要
◆ 仕事の延長または子供の頃に興味関心があったこと
◆ やり残したこと、教えるー学ぶの関係、ノスタルジーが3つの居場所
◆ 諦めたことは「生きがいの貯金」
◆ 昔の記憶を蘇らせる「ライフレビュー」
この本の中盤では、「定年後の ”孤立” から抜け出す」および「一生お金に困らない生き方」について解説しています。主なポイントは次の通り。
◆ 70代から人脈を広げる5分野:①小商い、②組織で働く、③趣味に生きる、④地域活動やボランティア、⑤学び直し
◆ 多層的なつながりを目指す
◆ 定年後こそネットのつながりを活かす
◆ 定年後、ひとり暮らしに備える「家事力」
◆「聴く力」より「驚く力」
◆ 健康寿命、資産寿命、労働寿命、平均余命の4つの命を考慮して生きる
◆ 働き続ければ健康にもいい影響、70歳まで気軽に働ける時代
◆「仕事ロス」を感じるのは元気の証
◆ 70歳以降は職住近接で生涯現役
◆「財産増減一括表」でお金の不安はなくなる
本書の後半では、「人生の終着点をどう考えるか」について考察しています。主なポイントは以下の通りです。
◆ 人生の終着点から限られた時間を考えて生きる
◆ 70代になると「生と死」は隣り合わせ
◆ 死期を見据えて生きると日々が充実する
◆ 孤立したままでは極楽へ行けない
◆ 過去や未来の自分とのつながりもある
この本の締めくくりとして著者は、「75歳を過ぎたあたりから感じる心身の衰えに対する不安。それを癒してくれるのは、他人の言葉やお金の有無ではなく、自分自身が創り上げてきた物語であり、今後の展望だと思います。」と述べています。
さらに巻末付録として、「リ・スターティングノート」および「財産増減一括表」が作成のポイント・手順とともに掲載されていて参考になります。
あなたも本書を読んで、「75歳からの生き方」を考えるヒントにしてみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!【3057日目】