駒澤大学陸上競技部監督として、箱根駅伝を復活優勝に導いた大八木弘明さんの選手指導やチーム作りの神髄を紹介・解説している本があります。
本日紹介するのは、1958年生まれ、中学時代から陸上を始め会津工業高校卒業後に実業団の小森印刷(現・小森コーポレーション)に就職、24歳で駒澤大学の夜間部に入学し、箱根駅伝に3度出場、大学卒業後は実業団のヤクルトを経て、1995年4月から駒澤大学陸上競技部コーチに、2004年4月から監督を務め、2023年箱根駅伝優勝で「大学駅伝3冠」を達成、コーチ時代を含めて大学3大駅伝で通算27回の優勝を成し遂げた大八木弘明さんが書いた、こちらの書籍です。
大八木弘明『必ずできる、もっとできる。』(青春出版社)
この本は、2008年から13年間、駒澤大学はなぜ箱根駅伝で勝てなかったのか、その13年間とその後に何があったか、そして著者自身がどのように変わっていったのか、そこで気づいたこと、感じたことを記した書です。
本書は以下の5部構成から成っています。
1.栄光から遠のく
2.監督自身が変わる
3.指導を変えていく
4.人作り・組織作り
5.指導者の務めとは
この本の冒頭で著者は、「ある程度、年齢を重ね、実績も残している組織のリーダーや企業の管理職のなかにも、以前の私のように、『時代の変化に対応しなければならない』、『でも自分をなかなか変えられない』と感じていらっしゃる方もいるのではないかと思う。そんな方たちの心に何かを残せれば幸いである。」と述べています。
本書の前半では、「栄光から遠のく」について、以下のポイントを説明しています。
◆ 心のおごりが衰退を導く
◆ 同じやり方では成功は続かない
◆ 勝てなくなったのは、監督が動かなくなったせい
◆ 温情での起用はしてはならない
◆「自分を変えること」が大切
この本の中盤では、「監督自身が変わる」および「指導を変えていく」について考察しています。主なポイントは次の通りです。
◆ 情熱に勝る能力なし
◆「財を遺すは下、仕事を遺すは中、人を遺すを上とする」
◆「鈍感は最大の罪」
◆ すぐに叱らず、泳がせる、考えさせる
◆ 分業しても指導者には全責任がある
◆ 時代に合わない慣習は変えていく
◆「負けに不思議の負けなし、勝ちに不思議の勝ちあり」
◆「男だろ」から「もっとできる」へ
◆ 必ず目標に到達できると断言する
◆ 目標は常にイメージしやすく設定する
◆ 強くなる基本は「素直に聞く耳を持つこと」
◆ 規則正しい生活が、すべての基本になる
本書の後半では、「人作り・組織作り」および「指導者の務めとは」について解説しています。主なポイントは以下の通り。
◆ 自分の「引き出し」を多く作らせる
◆ 陰の功労者に光を当てる
◆ 意識の高い組織にしたい
◆ 大切なのは勝負の場面で力を発揮できること
◆ 表情や振る舞いで選手の状態を見極める
◆ 伸びしろを残し、伸びしろを広げる
◆ 学んだことに自分らしさをプラスする
◆「時間は有限であり、打つ手は無限」
◆ 人生に失敗はなく、そこには成功と成長があるだけ
◆ 夢を叶えた先に、次の夢を見つける
◆ 個人を伸ばし、その力を結集できるチームへ
◆ 諦めない気持ちの大切さ
この本の締めくくりとして著者は、「成功のために一番大切なのは情熱であり、『上を目指したい、そのためにもっと自分自身が成長したい』という向上心を持っているかどうかが、成功を左右する」と述べています。
そして、「百里を行く者は九十里を半ばとす」という言葉を常に意識している、と紹介しています。何事も終わりに近づくほどに物事は困難になるため、気を緩めるなという戒めだそうです。
あなたも本書を読んで、自分を変え、選手を変え、組織を変えて大学駅伝3冠を達成した駒澤大学陸上競技部の名将・大八木弘明さんの新しい時代の指導方法、そして集大成を学び、自ら実践してみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!【3036日目】