書評ブログ

『人生の頂点(ピーク)は定年後』

「人生の頂点はこれからなのです。そのためには、50代から定年後の資金の不安を軽減させる道を探るとともに、正面から自分と向き合い、自身が実現したいこと、達成したいことを模索してみる必要があります。50代は人生の頂点に向かう助走路なのです。」と提唱している本があります。

 

 

本日紹介するのは、1963年京都府生まれ、同志社大学経済学部を卒業後、生命保険会社へ入社ジェネラリストとして様々な業務を体験し、本部と販売現場の両面で管理職として多様な職種の人材育成に携わって、2016年より人材育成支援サービスを行う株式会社星和ビジネスリンクへ出向してキャリア研修の企画・販売に従事、現在は一般社団法人「定年後研究所」所長、キャリアコンサルタントとして活躍する池口武志さんが書いた、こちらの新刊書籍です。

 

池口武志『人生の頂点(ピーク)は定年後』(青春新書)

 

 

この本は、「50代以降の会社員は何を意識し、どんな行動に踏み出していけばよいのか?」というセカンドステップの心構えについて考え、「50代から始める、実り多き定年後生活実現」に向けて大切なことを解説している書です。

 

 

本書は以下の6部構成から成っています。

 

1.まずは「お金の不安」を解消する

2.「働く環境の変化」に対応する

3.「自分の価値」を再発見する

4.50代からのキャリア相談 最前線①

5.50代からのキャリア相談 最前線➁

6.いざ ”人生の頂点” に向けて

 

 

この本の冒頭で著者は、「人生の頂点は定年後ー。こういわれて、すぐに『その通り!』といえる人はまだ少数派かもしれません。しかし、時代は確実に変わってきています。」と述べています。

 

 

本書の前半では、「まずはお金の不安を解消する」をテーマに、著者の見解を説明しています。主なポイントは以下の通りです。

 

◆ 人生100年時代、生活資金もより必要になり、「老後のお金」が心配

◆ ゆとりある老後の生活には、年金プラス10~15万円必要

◆ 働けるうちは働いて老後の資金に余裕を持たせるライフスタイルに

◆ モチベーションが下がる「50代シンドローム」を克服する

◆「お金の安心」と「やりがい」を同時に手に入れる

 

 

この本の中盤では、「働く環境の変化に対応する」および「自分の価値を再発見する」について、次のポイントを説明しています。

 

◆ 55歳~65歳は「停滞の10年」で「働かないおじさん」に

◆ 労働力人口の減少で50代の転職市場が活性化、年収アップも

◆ 多くの大企業で中高年社員の「福祉的雇用」から「キャリア研修」による戦力化へ

◆ キャリア自律のための「学び加え」がトレンドに

◆「キャリア自律」=「学び × キャリアビジョン(将来展望)」

 

◆ 定年は新しい職業人生への「玄関口」

◆ カギになる「50代からの意識の持ち方」

◆ 人生の頂点に向けた「自己理解」= Will × Can × Must

◆ 自分の強みや志向を見つける「ライフチャート」

 

◆「Will」「Can」を大きくして「Must」との重なりを広げ、やりがいを見つける

◆ 自分のリソースを点検し、学び直しで強化する

◆ 人的資本、社会的資本、心理的資本(マインドセット)のバランスが大切

◆ 寧年後マネープランを描いておく

 

 

本書の後半では、「50代からのキャリア相談 最前線①」「50代からのキャリア相談 最前線➁」およびいざ ”人生の頂点” に向けて」について紹介・解説しています。主なポイントは以下の通り。

 

◆ 最初から一発的中は無理、まずはやってみる

◆「タニモク(他人の目標)」を立て合うことで自分史棚卸し

◆ キャリアチェンジに成功するのは「学びグセ」のある人

◆ テレワークは働く意味や自己理解を促進する機会に

 

◆ 副業から始める「試し打ち」の経験が重要

◆ 自分の「スキルの因数分解」がキャリアの可能性を広げる(=「自分の市場価値」)

◆「自分のやりたい」に応じて、時間も労力も値付けも自分の裁量で行えるのがフリーランスの醍醐味

◆「偶然」を「機会・チャンス」に変えるのは、OS(人間力)を充実させること

 

◆「人柄」や「前向きさ」などヒューマンタッチな部分が転職のポイント

◆ コミュニケーション力や「ピントを合わせる力」が重要

◆「何が楽しいか」を知っていること

◆ 人に評価されることが確かな充実感に

◆「どこで働くか」よりも大切な「誰と働くか」 

 

◆ セカンドキャリアで成功する五箇条の第1は、「今に全力投球し、ピントを相手に合わせる余裕を持つ」

◆ 第2は、「自己理解ができている」

◆ 第3は、「社会動向にアンテナを立てる」

◆ 第4は、「試し打ちから始める」

◆ 第5は、「自己の過大評価を是正する」

 

 

この本の締めくくりとして著者は、イギリスの歴史学者ピーター・ラスレット人生を次の4段階に分けていることを紹介しています。

 

◆ ファーストエイジ: 親に依存した、未成熟と教育の段階

◆ セカンドエイジ: 自立・成熟・責任と所得の時代

◆ サードエイジ: 個人的な実現と達成の時代(=「人生最良の時間」)

◆ フォースエイジ: 老衰から死亡の時期

 

そして、人生の頂点に向けて+α を考える、正解がない「自分だけの特別プロジェクト」として、これからの働き方、生き方を考え、実現していこうと提唱しています。

 

 

本書は、私が拙著『定年後不安』(角川新書)『定年ひとり起業』(自由国民社)および『定年ひとり起業マネー編』(自由国民社)にて説いている「トリプルキャリア」による生涯現役の働き方とほとんど同じコンセプトで書かれていて、共感し、深く感銘を受けました。

 

 

また、著者の池口武志さんの前著『定年NEXT』(廣済堂新書)も併せて読まれると、様々な事例が紹介されていて、より理解が深まります。私、大杉潤の活動も事例として取り上げていただきており、併読を心からお薦めします。

 

 

あなたも本書を読んで、年金+α の収入とやりがいを同時に手に入れ、「定年後を人生の頂点にする」ための準備を50代から始めてみませんか。

 

 

ビジネス書の紹介・活用法を配信しているYouTubeチャンネル『大杉潤のyoutubeビジネススクール』の「紹介動画」はこちらです。ぜひ、チャンネル登録をしてみてください。

 

 

では、今日もハッピーな1日を!【2913日目】