「老後のお金の不安はどうしたら解消されるのか。誰にでも当てはまる正解はなく、その人それぞれの生き方・意思にマッチした『特注品の答え』があるのだと思います。」と述べている本があります。
本日紹介するのは、ファイナンシャルプランナー(CFP認定者)、社会保険労務士、経済セッセイストの井戸美枝さんが書いた、こちらの書籍です。
井戸美枝『一般論はもういいので、私の老後のお金「答え」をください!増補改訂版』(日経BP社)
この本は、「これからどんな人生を作りたい?」「家計の現状は?」「将来の受け取れる年金額は?」「それが足りないならば、今すべきことは?」など、数多くの計算事例を通じて、読者の皆さんが老後のお金に関する「特注品の答え」に出会えるように工夫した書です。
本書は以下の6部構成から成っています。
1.お金に困らない人生のルール
2.私の年金、「答え」をください!
3.「老後のお金」年代別TODOリスト
4.iDeCo とつみたてNISAで「じぶん年金」
5.年金は増やせる! 受け取り方&働き方
6.年金不安で「カモられない」ために知っておくべきこと
この本の冒頭で著者は、お金について大事な基本として、以下の2つを挙げています。
◆ 何でも自分でやってみる
◆ 数字はウソをつかない
本書の前半では、「お金に困らない人生のルール」および「私の年金、答えをください!」について、以下のポイントを説明しています。
◆ 一生を4つの時期(①育ち、②人生フル回転、③黄金、④おまけ)に分けてデザイン
◆ 女性の2人に1人は90歳まで生きる
◆ 必要なのは「稼ぎ力」と「お金の知恵」
◆ 老後の安心には、①生活費、②資産の増減、③ねんきん定期便の内容の3つを把握する
◆ 毎年誕生月に届く「ねんきん定期便」は超重要
◆ 50歳以上の「ねんきん定期便」では65歳以降の年金受給額がわかる
◆「ねんきんネット」を利用すると年金受給額のシミュレーションができる
◆ 将来の年金は今より減る可能性が大、働き続けてカバーする
この本の中盤では、「老後のお金年代別TODOリスト」および「iDeCo とつみたてNISAでじぶん年金」について解説しています。主なポイントは次の通り。
◆ 高齢者夫婦世帯は100歳までに1800万円必要
◆ 現役時代に父苦ゼロだと老後の「収入」は半減
◆ 毎月の「基本生活費」が分かると貯め体質に
◆ 資産と負債を合計し、全体像を掴む
◆「70歳まで働く」ライフプランニング
◆ 老後資金をつくる5つの方法:①iDeCo、②つみたてNISA、③貯蓄、④企業年金、⑤個人年金保険
◆ 投信積み立てならコツコツ増やせる
◆ iDeCoで「手取り収入」が増える
◆ 税金で得する受け取り方を
◆ iDeCo & つみたてNISAで3000万円
本書の後半では、「年金は増やせる! 受け取り方&働き方」および「年金不安でカモられないために知っておくべきこと」について考察しています。主なポイントは以下の通りです。
◆ 会社員が年金を増やす3つの方法:①収入を上げる、②長く働く、③受給開始を遅らせる
◆ 年収150万円で5年働くと受給額は年4万円増える
◆ 厚生年金加入を続けながら「ライトFIRE」がベスト
◆ 給料+年金が一定額を超えると「在職老齢年金制度」で減額に
◆ 遅く受け取り始めて年金受給額を増やす
◆ フリーランスの年金は国民年金基金と小規模企業共済で増やす
◆ おひとりさまの可能性を考えて年金額減少を考慮する
◆ 介護費用の平均は月7万8000円、平均介護期間は4年7カ月
◆ ナポレオンでも年金制度はなくせない
◆ 公的年金の基本は保険、助け合い
◆ 年金を遅く受け取り始める効果は絶大
◆ 日本人は5~10歳若返っている!
◆ 女性の低年金がシングルマザーの貧困にも
本書の最後にある権丈善一・慶応義塾大学教授との対談は、日本の公的年金の考え方を学ぶのに参考になります。権丈先生の著書『ちょっと気になる社会保障 V3』(勁草書房)もぜひ併せてお読みください。
この本で提唱している「70歳まで働く」ライフプランニングや、年金の受け取りを遅らせて増やす」という考え方は、新刊拙著『定年ひとり起業マネー編』(自由国民社)および前作『定年ひとり起業』(自由国民社)で私が提案した「定年ひとり起業」で長く働くライフスタイルと同じコンセプトで強く共感しました。
あなたも本書を読んで、「私の老後のお金」について深く考え、対策を実践してみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!【2807日目】