「限りある資源、そしてエネルギーを考えるということは、命に限りがあるまさに私たち人間そのもの、健康や長寿、もっと言えば『幸せそのものを考える』ということと、とてもよく似ています」と述べて、資源材料工学を専門とする科学者が、「50歳から元気になる生き方」について、自らの経験も交えて科学的に説明している本があります。
本日紹介するのは、1943年生まれ、東京大学教養学部基礎学科卒業後、旭化成工業に入社し、同社ウラン濃縮研究所所長、芝浦工業大学工学部教授、名古屋大学大学院教授、中部大学総合工学研究所教授、内閣府原子力委員会及び安全委員会専門委員等を歴任した名古屋市経営アドバイザー、工学博士の武田邦彦さんが書いた、こちらの書籍です。
武田邦彦『50歳から元気になる生き方 70代の今がいちばん健康な科学者が実践!』(マガジンハウス)
この本は、人生100年時代、後半50年の「第二の人生」において、科学的に「50歳から元気になる生き方」を紹介・説明している書です。
本書は以下の4部構成から成っています。
1.「生」と「死」には意味がある
2.「健康のウソ」に振り回されないために
3.あわてずに「第二の人生」に備える
4.「人生100年時代」の心構え
この本の冒頭で著者は、「人生100年時代を科学的に考えるとどうなるでしょうか?」と問いかけ、最初の50年は「生物として意味のある」時代、後の50年は「生物としては生きている意味のない」時代です、と述べています。
したがって、第二の人生50年は「現代」という時代になって人間が手に入れた新しい経験で、だからこそ人生100年時代には希望があり、そこには科学的な根拠がちゃんとあるのです。
つまり、第二の人生50年においても、第一の人生50年と同じように、夢を描いていいし、描くことができる、そのためしっかりとした準備と計画が必要だ、と著者は言います。
本書の前半では、「生と死には意味がある」こと、および「健康のウソに振り回されない」ことについて説明しています。主なポイントは以下の通りです。
◆ 動物の寿命には3つの原則(①経験数一定の法則で死ぬ、②子供のために死ぬ、③群れのために死ぬ)がある
◆ 生物が進化(オスとメスの誕生、異なる遺伝子の多様性)したから寿命がある
◆ 「社会」や「集団」のために生きると健康になる
◆「人の役に立つ」ことが長生きのコツ
◆自分本位で生きると「死のスイッチ」が入る
◆ 日本人の健康食は「和食」、流行を追わない
◆ 植物油、乳酸菌は必ずしも日本人には合わない
◆ コレステロールは、細胞膜の材料、脳の絶縁材として必要なもので、体内でも作られ、悪者ではない
◆ 血圧が高いからこそ人は元気で明るい
◆ 病気にならないことの第一の条件は「血液の流れがいい」こと
◆ 血圧には個人差があり、人生観によって決まるもの
◆ タバコだけが健康に悪いとは言えない
◆ 人は権威に弱く、なかなか洗脳を解くことができない
この本の中盤では、「あわてずに第二の人生に備える」ことについて、次のポイントを提示・解説しています。
◆ 病気になればなるほど、こころとからだは強くなる
◆ 仕方のないものは仕方ない
◆ 薬に頼らず、免疫力を上げる
◆ 眠れないときは、横になっているだけでいい
◆ 睡眠は、4時間半は「からだを休める」、残り2時間半は「頭を休める」
◆ 朝の時間を大切にする
本書の後半では、「人生100年時代の心構え」について説明しています。主なポイントは以下の通り。
◆「第二の人生50年」は自由に楽しく
◆ 50歳から10年は、「お金」、「恩」、「健康」を貯める
◆ 60歳から90歳の30年間は「第二の人生の熟年期」
◆「こころ」を健康に保つ秘訣は、①対立しない、②自分の考えは間違っている
◆ 五感を大事にして生活する
◆ 整理整頓されていると免疫力が高まる
◆ 昨日は晴れ、今日も朝(あした)
◆ 降ったら濡れる、酔ったら吐く
◆ 自分自身が若い気持ちでいるためにオシャレをする
◆ 他人が、年のせい」、と言っても気にしない
◆ 周囲の期待で寿命は延びる
この本の締めくくりとして著者は、「人間は、心がけ一つで、『肉体的な正しい加齢』と『精神的な正しい加齢』とで豊かな人生を送ることができます」と述べています。
あなたも本書を読んで「70代の今がいちばん健康な科学者が実践する50歳から元気になる生き方」を学び、実践してみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!【2626日目】