2020年の春・夏の高校野球・甲子園大会が中止になり、コロナ禍でもがき苦しんだ球児たちの「甲子園のない夏」を追いかけたノンフィクションの書籍があります。
本日紹介するのは、1968年愛媛県生まれ、立教大学野球部4年時に23年ぶりの東京六大学優勝を経験、大学卒業後は出版社に勤務し、47歳でフリーランスのスポーツライターになった元永和宏さんが書いた、こちらの新刊書籍です。
元永和宏『甲子園はもういらない・・それぞれの甲子園』(主婦の友社)
この本は、「甲子園は本当に必要なのか?」と問いかけ、以下のような疑問に対する答えを求めて球児たちを追いかけた記録です。
◆「甲子園」はどんな力を持っているのか?
◆ 甲子園がなくなっても彼らは練習に打ち込むことができるのか?
◆ 指導者や保護者はどんな思いで選手たちを見守っているのか?
◆ 果たして甲子園にはどんな意味があるのだろうか?
本書は以下の6部構成から成っています。
1.【甲子園常連校】に何が起きたのか?
2.【指導者と保護者】に何が起きたのか?
3.【甲子園】とは何か?
4.甲子園を目指さない-神奈川県の公立校の挑戦
5.甲子園のない夏に球児は何を手にしたか?
6.甲子園は本当に必要なのか?
この本の冒頭で著者は、新型コロナウイルス感染症の拡大で「甲子園常連校に何が起こったのか」について記しています。
日本中の野球部の動きが止まり、「甲子園に代わるものはどこにもない」という思い、そして指導者にとって大事なのは我慢、と著者は述べています。
続いて本書の前半では、指導者と保護者に何が起きたのかについて考察しています。次の高校の監督にインタビューした話を紹介しています。
◆ 仙台育英・須江航監督
◆ 國學院久我山・尾崎直輝監督
◆ 佼成学園・藤田直毅監督
この本の中盤には、「甲子園とは何か?」と、「甲子園を目指さない神奈川の公立高校の挑戦」について述べています。ポイントは以下の通り。
◆ 甲子園は努力を続けた人間が輝く場所
◆ 甲子園のマウンドが人生を変える
◆ プロ野球を目指して勝負する舞台
◆ 球児には完全燃焼する権利がある
◆ 甲子園中止でも考え方は変わらない
◆ みんなで責任を分け合ってみんなで強くなる
◆ 多くの選手を試合に出すために勝つ
本書の後半では、「甲子園のない夏」について、球児は何を手にしたのかを考察しています。著者が注目したのは次の通り。
◆ 甲子園がすべてではない
◆ 目標を後輩に託して
◆ 三年生に贈るラストメッセージ
この本の最後で著者は、「甲子園は本当に必要なのか?」と問いかけています。コロナ禍で気づかされたのは以下のポイントです。
◆ 成長したのは時間をうまく活用できた選手
◆ 大切なのは自分で自分をコーチする力
◆ 社会の変化とともに変わる高校野球
あなたも本書を読んで「勝者も敗者もいない2020年の高校野球」が何を球児や関係者にもたらしたのかを改めて考えてみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!【2515日目】