「知らないと20年で500万円の損!」と述べて、60歳からのマネー防衛術について具体的に記した本があります。
本日紹介するのは、1952年長野県生まれ、武蔵大学経済学部卒業後、雑誌編集者等を経て1982年に独立し、経済、金融などのジャンルに特化したフリーライター集団「ライトルーム」を設立、雑誌、新聞、単行本などで執筆活動を行うほか、テレビ、ラジオ等のコメンテーターとしても活動している岩崎博充さんが書いた、こちらの書籍です。
岩崎博充『「年金20万・貯金1000万」でどう生きるか-60歳からのマネー防衛術』(ワニブックス)
この本は、「年金20万円、貯金1000万円の定年後夫婦」を想定して、60歳からの老後にいかにしてマネー防衛を行うかについて、年金制度の先行きや、世界経済、日本経済がどうなるかを踏まえて考察し、生き方を提言している書です。
本書は以下の9部構成から成っています。
1.「定年後」にいくらかかるかを現実的に検証する
2.日本の年金制度はいったいどうなっているのか
3.年金制度が破綻しても生き残るサバイバル術【基礎編】
4.年金制度が破綻しても生き残るサバイバル術【実践編】
5.貯金ゼロ! 何がなんでも公的年金だけ暮らす
6.老後を楽しむために「するべきこと」「やめること」
7.スマホを使って人生と財布を豊かにする方法
8.定年後に趣味を活かす仕事、趣味程度に稼げる仕事
9.遊びのライフプランを立てよう
この本の冒頭で著者は、よく言われる「平均寿命」に加えて、「寿命中位数」および「健康寿命」の数字を紹介しています。
寿命中位数とは、半数以上が生存していると推定される年齢で、2018年で男性84.23歳、女性90.11歳で、平均寿命より長くなっています。
一方、自立して生活できる年齢を示す指標「健康寿命」は、「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」のことで、2016年で男性72.14歳、女性74.79歳と、日本人の場合、平均寿命に比べて意外に短くなっています。
したがって、半数以上の男性は約12年間、女性は約15年間、健康とは言えない状態が続く可能性が高く、その期間は介護保険制度を利用したり、配偶者や子供にも何らかの負担をかけることになる、と著者は説明しています。
続いて本書では、「老後2000万円不足問題」をきちんと検証しよう、ということで、夫婦がそれぞれ平均寿命まで生きるケースで試算を行い、「最終不足分1132万円」という結論を出しています。
これは総務省の家計調査データをベースに試算したもので参考になります。
次に、「年金制度が破綻しても生き残るサバイバル術」として、年金に関わる3大リスクを以下の通り整理しています。
1.年金の減額
2.増税、医療費、介護料の負担増加
3.インフレ
そして年金が破綻しても老後を破綻させない方法として、以下の6つを挙げています。
◆ 自分で働いて生活費を稼ぐ
◆ 預貯金を取り崩して不足を補う
◆ 資産運用による収益で不足を補う
◆ 不動産の家賃収入などで不足を補う
◆ 預貯金の利子、株式配当等で不足を補う
◆ 保有する資産を現金化する
さらに、以上の方法を解説したうえで、著者の岩崎さんは「老後を守るノウハウ実践編」として、次の6つのステップでの資産運用を勧めています。
1.今すぐ全財産預けっぱなしの銀行預金を引き出して分散投資を!
2.海外の金融商品のウエイトを増やしておこう
3.金や仮想通貨など金融マーケットの動きに連動しない商品を増やす
4.金融マーケットの暴落に強い金融商品に投資する
5.不動産賃貸事業、仮想通貨など、インフレに勝てる資産運用を
6.ヘッジファンドを海外口座で運用する
この本の後半では、公的年金をメインに生き抜く方法を説明していて、以下のポイントを挙げています。
◆ 生活固定費の引き下げ(保険、住宅ローンなど借金、公共料金、固定電話、自動車)
◆ 海外移住
◆ 国内移住(地方移住)
◆ 住み替え、共同生活
以上の方法についても、それぞれメリット、デメリットを挙げて解説していて参考になります。詳細はぜひ本書を手に取って確認してください。
この本の終盤では、老後を楽しむために「するべきこと」として、次の5点を紹介しています。
◆ とりあえずスマホを買う
◆ 現役世代が働いている時期・時間を楽しむ
◆ 運動を心がけ、健康オタクになる
◆ 趣味は文武両道で、バランスのとれた日常を送る
◆ 地域密着の人間関係をつくる
また生活費節約のためにも「やめること」として、以下の6点を挙げています。
◆ 年賀状をやめる
◆ お中元やお歳暮をやめる
◆ 冠婚葬祭を整理する
◆ 実家を整理する
◆ 墓じまいを考える
◆ 昔の肩書を捨てる
最後に著者は、スマホを使って人生と財布を豊かにする方法、および定年後に趣味を活かす仕事、遊びのライフプランを紹介していて、とても参考になります。
あなたも本書を読んで、60歳からのマネー防衛術を学び、豊かな老後プランを設計してみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!