本書は、「嫌なことノート普及委員会」 が監修した、「嫌なことノート」 を広めるための書だ。「書くだけで人生が変わる」 というタイトルのキャッチコピーにある通り、人生にも大きな影響を与える力がある。
まず本書では、「嫌なことノート」について以下の４つの効能を挙げている。
１．感情のコントロールができ、ストレスがなくなる
２．コミュニケーション力が上がる
３．顧客心理がわかり、ビジネスのアイデアがどんどん生まれてくる
４．時間の使い方がうまくなる
仕事ができる人とできない人の差は、実は 「嫌なこと」 にあったときの対応の差だ。仕事のできる人の考え方や対応は以下の通り。
→ 「嫌なこと」 は新しい情報、宝の山だと思う → 「嫌なこと」 をしてくれてありがとう！
ところが、仕事ができない人の考え方や対応は次の通りだ。
→ 「嫌なこと」 に落ち込み、ストレスがたまる → 「嫌なこと」 なんてしやがって！
以上のように、捉え方が１８０度違う。 「嫌なことに」 にあうことは実は大チャンス。「嫌なこと」 をどんどん、自分のために活用しよう。
「嫌なこと」 をビジネスに活用して成功している会社もたくさんある。 「ユニクロ」 を世界中に展開するファーストリテーリングは、「ユニクロの悪口言って１００万円」 という広告を掲載して１万通の応募を集めた。それを店舗や商品の改善に活用した。
また、焼肉チェーンで急成長した 「牛角」 は、「レジで当店の悪口を言ったら３００円値引き」 を１年間続けて改善に努めたという。
本書は、私たち個人が 「嫌なこと」 をノートに書きとめることで、感情をコントロールして客観的に捉え、自分の成長に繋げていくノウハウを記した書だ。構成は以下の６部から成っている。
１．「嫌なこと」 に注目すればストレスや怒りがなくなる！
２．誰からも好かれる人になるための 「嫌なこと」 活用法
３．「嫌なことノート」 で、仕事ができる人になる
４．「嫌なことノート」 の書き方
５．「嫌なことノート」 を続けるコツ
６．「嫌なこと」 にはこう対応する
本書には、「嫌なことノート」 の具体的な記入の仕方から、読み返す方法まで、すぐに実践できるように書かれている。仕事、自分、家族、人間関係など、様々な面で 「嫌なこと」 を客観視することで忘れ、解決していくことで成長していける、ということだ。
向上心のある人、チャレンジする人生を送りたい人には、本書で提唱するやり方は効果を発揮するだろう。できるだけ多くの人に本書を知ってもらい、一読を薦めたい。
