「ほとんどの人は投資に対して誤ったイメージを持っています。投資にはいろいろな種類があって、なかにはほとんど知識を必要とせず、それほど高いリスクは取らなくてもお金を増やせる投資もある」と述べている本があります。
本日紹介するのは、1958年東京生まれ、オンライン金融ビジネススクール「上地ゼミ」主催者、オンラインで学べる「アール宅配便」を通じて長期国際分散投資の啓蒙活動を行い、信州大学経営大学院特任教授(ファイナンス科目担当)でもある上地明徳さんが書いた、こちらの書籍です。
上地明徳『老後の資金 10年で2倍にできるって本当ですか?』(青春新書)
この本は、貯金ゼロ、知識ゼロでもできる老後の資金を無理なく作るための「誰でもできる資産運用術」を解説している書です。
本書は以下の7部構成から成っています。
1.はじめに-この「常識」を知らないと、人生で一千万円単位の損をする!
2.世界でお金を増やそうなんて危険、の大誤解
3.知識ゼロの私でも、ちゃんと投資で儲けられるもの?
4.これからの人生&老後のお金、どう考えるべき?
5.いざ実践!リスクを抑えて資産を2倍以上にする運用術
6.老後資金2000万円が無理なく作れる、ほったからし運用術
7.年齢・タイプ別、老後資金を2倍以上に増やす実践アドバイス
この本の冒頭で著者は、「長期・分散・積立」という堅実、かつ最強の投資法を紹介しています。
これは、個別銘柄の株式に投資するのではなく、インデックスと呼ばれる株式指数に連動するファンド(投資信託)に投資するもので、とくに日本を除く世界の株式に分散投資する「外国株式インデックス・ファンド」を著者は勧めています。
確かに、株式に投資する以上、元本割れのリスクはゼロではありませんが、「長期・積立・分散」という手法で投資する限り、これまでの実績を分析して見ても、世界経済が長期的に成長していく前提ならば、限りなくリスクは小さくなる、ということです。
老後資金づくりという観点で、本書が提示しているポイントは以下の通りです。
◆「長期・分散・積立」なら予測はいらない
◆ 欧米の年金基金、大学の基金、ノーベル財団も「長期・分散・積立」で運用
◆ 老後資金作りに最適な投資信託は、金融機関が倒産しても資産が時価で守られる
◆ 積立投資なら買うタイミングは不要で、値が下がっても利益が出やすい
◆ 投資を始める前に「ゴール設定」をしておこう
◆「つみたてNISA」と「i DeCo」を賢く使おう
◆ 早く始めるほど、初期の投資額を高くするほど、複利効果が効いて、お金が大きく増える
◆ 退職金など、まとまったお金が入った人は「分割投資」に
この本の最後で著者は、老後資金2000万円が無理なく作れる運用術と、年齢・タイプ別の実践アドバイスを記しています。ポイントは次の通り。
◆ 複数のファンドを加えることで、リスク・リターンがコントロールできる
◆ 長期投資ができる人であれば、「新興国株式ファンド」はぜひ組み入れたい
◆ ゴールを「〇〇年後に〇〇万円」という形で再確認する
◆ 定番の「債券ファンド」を組み入れる必要はない
◆ 積立シミュレーションで毎月の積立額を決める
◆ 外国株式インデックスをメインにするなら「7%」の運用で計算
◆ 相場が下落しても「売りたい」という誘惑に勝つ
◆ やると決めたらすぐ実行する(申し込む)
著者の上地さんは、1998年の投信法改正によって日本の投資信託がグローバル・スタンダードになった時代から投資信託と本格的に向き合い、「長期・分散・積立」投資を主軸とした年金・退職所得マーケットに舵を切るべきという主張を、20年にわたり発信してきました。
ようやく時代がそうした方向に向かいつつあり、この本はそういう意味で、人生100年時代の「お金」の不安にどう向き合えばよいのか、多くの示唆を与えてくれます。
昨年、私が出版した『定年後不安 人生100年時代の生き方』(角川新書)で提示している「お金」「孤独」「健康」の定年後三大不安を解決する方法として、「お金」の面ではぜひ、本書を参考にすることをお薦めします。
あなたも本書を読んで、老後資金を10年で2倍にする「月1000円からの投資」を実践してみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!