さとう みつろう氏は、札幌の大学を卒業後、エネルギー系の大企業に入社し、現代社会がかかえる矛盾点に気づき、思い悩む。その後、神さまとの出会い、おしゃべりを通して、人生の価値観を大きく変え、「笑えるスピリチュアル」という人気ブログを発信し続けている。
本書は、さとう氏が「神さまとのおしゃべり」を通して得た、幸せになる考え方を、順を追って対話風に再現した書だ。目からうろこが落ちると表現する読者が続出し、人気ブログと同じように大きな反響を呼んでいる。
神さまの教えは以下の6時限に分かれている。
1.「現実」 とは何か
2.思い通りに現実を変える、12の方法
3.簡単にお金持ちになる方法
4.私があなたで、あなたが私
5.この世の仕組みと真の幸せについて
6.ミソカモウデに行こう
著者と神さまのやり取りは哲学論争のようなところもあり、抽象論が出てきたり、議論が行きつ戻りつしたりして、なかなか集中して追いかけるのが難しい箇所もある。
そこで2時限の後(P250~P254)に、「これまでのおさらい」が載せてあり、これが出色の出来だ。そこまでの前半部分にある神さまの教えは次の通り。
1.この世は全て、あなたの望み通り
2.あなたの信じることは、なにもかも全て、現実となる
3.あなたには、自動で願いつづけてくれる 「観念」 という、便利機能がついている
4.固定観念とは、あなただけが信じる幻のルールである
5.「現実」 とは、あなたを映し出す鏡である
6.「感情」 があふれ出るようなできごとは、あなたの固定観念に気づくチャンスである
7.信じていることの反対側を信じれば、固定観念は消える
8.鏡は先に笑わない
9.人間は目の前の 「現実」 と違うことを想像することができる
10.「なにが嫌いか?」 ではなく、「なにが好きか?」 を口に出して正しい想像で願うこと
11.人はみな、夢が叶った時の感覚を経験済みである
12.「幸せになりたい」 と言う人は、「私は幸せじゃない」 と信じている
13.99%の幸せに囲まれて、なぜ1%の不幸を探す?
14.叶っていない夢があるから、人生は楽しい
15.不幸は目につくが、幸せは見えにくい
16.答えがどっちでもいいから、あなたは今日も悩んでいる
17.あなたができごとを 「悪い」 と判断すると、物語はそこでジ・エンドになる
18.起こるできごと全てを信頼し、流れに身をまかせてみる
この本は神さまが、さとうみつろう氏に教えを語りかける形で書かれているが、ほんとうに奥深いことが書かれている。私が尊敬する先輩や偉人たちの言葉は、「このことだったのか」 と思わずにはいられなかった。
8番目の教え「鏡は先に笑わない」は、目の前の現実を変えるにはまず、自分自身が変わる必要がある、ということだ。鏡の中に手を突っ込んで、無理矢理に自分の顔や姿を変えることはできない。
また、18番目の教え 「起こるできごと全てを信頼し、流れに身をまかせてみる」 は、” 財界の鞍馬天狗 ” と呼ばれた中山素平氏(元日本興業銀行頭取)がいつも口にしていた「流れのままに」という言葉と同じだ。
後半にも18の神さまの教えが登場し、全部で36の教えとなる。いずれも珠玉の言葉だが、本書を読んでのお楽しみとしておきたい。
あなたの常識は、誰かの非常識であり、あなたが嫌いな人は、「あなたの知らないことを一番よく知っている人」だ。ぜひ本書を全ての起業家志望の方々に読んでもらいたい、幸せな人生を送れるように・・・。