「ついに中国製品排除がわが国でも始まった」と指摘し、ファーウェイ包囲網を進める日本、米国と中国との情報戦争について解説している本があります。
本日紹介するのは、早稲田大学政治経済学部卒、リサーチハウスの株式アナリスト、外資投資銀行勤務を経て、リーマンショック後の民事再生業務に携わり、現在はITビジネスアナリスト、Revatron株式会社代表の深田萌絵さんが書いた、こちらの書籍です。
深田萌絵『日本のIT産業が中国に盗まれている』(ワック)
この本は、コンピューター・ソリューション開発企業の経営者として、著者がこれまでいかなる危機感を抱き、いかに戦ってきたかを記した書です。
本書は以下の6部構成から成っています。
1.プロローグ 日本人にとって本当の戦いが始まった
2.ITへの無知が国を亡ぼす
3.半導体業界を支配する闇社会
4.スパイ合法国家の末路
5.日本を脅かす悪のトライアングルー中国・北朝鮮・台湾
6.おわりに 人権のパラドックス
この本の冒頭で著者は、1999年に人民解放軍空軍の喬良と王湘穂が、メディア戦・情報戦ほか、手段を選ばない「超限戦」戦略を提唱してから、世界は中国の思惑通りに動いている、と述べています。
「超限戦」とは、通常戦、貿易戦、外交戦、テロ戦、諜報戦、金融戦、ネットワーク戦、法律戦、心理戦、メディア戦など、超国家的・非接触攻撃を含む25種類の戦略によるグローバル時代の新しい戦争のやり方です。
この本には、一般には知られていない日本の半導体産業が、なぜ衰退していったのかが、具体的な事例をもとに記されています。
驚くべき事実が述べられていて衝撃を受けますが、いずれも中国、台湾、韓国などによる技術ただ乗り(フリーライド)による日本の先端技術流出が打撃を与えていることがよく分かります。
とくに私もまったく知らなかった衝撃の記述は以下の通り。
◆ ファーウェイ製の通信基地が日本に配備され、とくにソフトバンクとは関係が深い
◆ ソフトバンクの大規模な通信障害は、ファーウェイ製通信機器排除の一環である
◆ ファーウェイの通信機器から日本の重要情報が中国に流出
◆ ファーウェイ人脈は日本の大手企業、政治家に深く入り込み、排除は容易ではない
◆ 貿易戦によって中国の安価な製品が世界を席巻し、各国の製造増を追い詰めているのは「超限戦」によるもの
◆ AIが世界的な技術革新のテーマになっているのは、習近平の人間不信(側近不信)がきっかけ
◆ シリコンバレーの経営者の左傾化は、アクティヴィスト・インベスターと呼ばれる左派VCの存在が大きい
◆ とくにGAFAの生命線であるデータセンターは中国の格安な土地代・電気代・人件費に依存、但し情報漏洩のリスク大
◆ アクティビスト・エンプロイー(大量の中国人雇用者)も米国大手IT企業に深く入り込んでいてトップの首さえ危うくしている
◆ 半導体シンジケート「青幇(チンパン)」の資金源はドラッグ
◆ 鄧小平、テリー・ゴウ鴻海CEO、馬英九・元台湾総統やその一族は皆、青幇のメンバー
◆ 日本は技術が盗み放題のスパイ合法国家
◆ 台湾の内部対立(独立派 vs 親中統一派)は、日中米を巻き込んだ国家戦略と深く結びついている
◆ 蓮舫議員の二重国籍問題は深い闇の中。
◆ ビットコインは北朝鮮の資金源
この本を読み進めるうちに、あまりの驚きに言葉を失います。また、あまりに恐ろしい内容で、どこまでが真実なのか、あるいは仮説なのか、判定が付きかねる部分も多くあります。
中国の「超限戦」という国家戦略や、「日本の技術を盗んで中国企業へ流すことは犯罪ではなくいいこと」という在日中国人に根差す文化や姿勢は、もし事実だとしたら、私たち日本人はあまりにも無防備でお人好しということになります。
但し、中国のスパイ活動に協力することで多大なメリットを得て、喜んで協力している日本人が膨大な数に上ることも事実で、その排除は不可能と思えるほどのパワーです。
やはり世界に張り巡らされた中国人の人口パワーはとてつもなく大きい、ということでしょう。
アメリカの国家戦略がどうなるか、トランプ大統領の誕生は、ある意味で必然だったのかも知れません。
米中貿易戦争は、ファーウェイの副会長逮捕で、幕を開けたということかも知れません。
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では、今日もハッピーな1日を!