世界で初めてベーシックインカムを求める国民投票を実現させたアーティストのエノ・シュミットらによる「世界最大の問い」について、その経緯や考え方を詳しく解説している本があります。
本日紹介するのは、西ドイツ生まれのアーティストであるエノ・シュミット、同志社大学経済学部教員・山森亮、法政大学社会学部教員・堅田香緒里、横浜国立大学大学院研究員・山口純の共著である、こちらの書籍です。
エノ・シュミット、山森亮、堅田香緒里、山口純『お金のために働く必要がなくなったら何をしますか?』(光文社新書)
この本は、「ベーシックインカムがあったら、あなたは何をしますか」という問いかけに対して、一人ひとりが、「他人は」ではなく、「自分は」何をするか、ということを考え、議論するきっかけになるようにという思いで書かれました。
本書は以下の6部構成から成っています。
1.私たちはそんざいしているだけで意味がある
2.ベーシックインカムの理念と制度
3.時間泥棒から盗まれた時間を取り返すことができたら
4.人が時間を取り戻すことは可能か?ー社会彫刻・文化収入・精神生活
5.フェミニズムとベーシックインカムー「ゆる・ふぇみカフェ」の実践から
6.コモンズとベーシックインンカムー「本町エスコーラ」の実践から
この本の冒頭で著者は、スイス・ジュネーブの広場に作られ、「What would you do if your income were taken care of ?」と書かれた、世界最大(ギネス認定)のポスターを紹介しています。
そして、著者のひとり、エノ・シュミットさんは、スイスにおいて12万人の署名を集めて、国民投票の実施を実現させました。結果は反対多数で、ベーシックインカム制度の導入は否決されたものの、世界に大きなインパクトを与えました。
ベーシックインカムを求める署名キャンペーンの中で著者のエノ・シュミットさんは、次の原則を守って活動を進めました。
◆ どの階級も否定することなく、働くことを肯定しながら進める
◆ 無条件のベーシックインカムであること
◆ 自分のこととして考える
◆ 大きく考える
◆ 新しいアイデアが仕組みを変える
この後、本書では、ベーシックインカムの理念と制度の概要を詳しく解説しています。
さらに、ミヒャエル・エンデの『モモ』という小説を手がかりに、「ベーシックインカムがあったら私たちは何ができるか」について、生き方や人との繋がりについて考察しています。
また、エンデが影響を受けたルドルフ・シュタイナーやルヴィオ・ゲゼルの思想、そしてオルタナティブな貨幣を流通させた実践などを紐解いています。
最後に、以下の具体的な2つの実践から、ベーシックインカムの持つ意味を考える試みが紹介されています。
◆ 「ゆる・ふぇみカフェ」: フェミニズム運動のゆるい連帯のイベント
◆ 「本町エスコーラ」: 京都の路地裏の長屋と広場から成る場所(住居・アトリエ・オフィス・コミュニティスペース)
あなたも本書を読んで、世界で注目される潮流なりつつある、ベーシックインカムという新しい仕組みについて学んでみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!