『情報の歴史ー象形文字から人工知能まで』(NTT出版)という分厚い年表本をテキストとして、「世界文情報化史講義」の3日間集中講義を行った内容を書籍化した本があります。
本日紹介するのは、松岡正剛さんが書いた、こちらの書籍です。
松岡正剛『情報の歴史を読む―世界情報文化史講義』(NTT出版)
この本は、編集工学研究所と著者の松岡さんが、3年がかりでつくった、世界初の「情報と文化を基軸にした世界史年表」である、『情報の歴史ー象形文字から人工知能まで』(NTT出版)という年表本の読み方とエッセンスを、1993年9月27日から3日間にわたって千葉大学にて集中講義した記録です。
本書は以下の3日分の講義から成っています。
1.RNAから聖書へ
2.オデュッセイアから複式簿記へ
3.花伝書からハイパーカードへ
この本で取り上げている年表本は、以下の5つのジャンルに分けて記載した年表で、世界政治動向を除き、それぞれさらに5つの小分類に分けて記載されています。
1.世界政治動向
2.技術・資本・産業
3.科学・思想・研究
4.芸術
5.文芸・メディア・流行
この年表をひと言で言えば、世界の情報文化史の流れを洋の東西を同一時空におさめた複合年表に表わし、情報文化がどのような歴史的な外観をもつかということを一目瞭然にしたもの、と著者は説明しています。
著者によれば、情報文化史というジャンルは、いままさに生まれつつある新しい研究領域で、まだ誰も定義できていない、ということです。
また、各国の情報文化の多様性と差異性をうまく解読する方法は、残念ながらまだ見つかっていないそうです。
情報文化の多様性は、民族言語の起源や文法の発達にも起因します。この本では、情報文化の歴史を追っていますが、最新の情報文化事情についてはあまりふれていません。
今後は、電子編集時代の情報文化史が必要になるだろう、と本書でも述べています。電子情報文化の特質は、デジタル化とネットワーク化という点にあります。
最後に、日本の情報文化がななり混乱している、と著者は指摘しています。その理由は以下の3点です。
1.経済大国だ、生活大国だと奢り過ぎた
2.日本の歴史を世界史的に理解する努力を怠っている
3.ハード開発にかまけてソフト思考への転換をしなかった
あなたも本書を読んで、世界の情報文化の歴史について、整理して学んでみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を