書評ブログ

『世界で最もイノベーティブな組織の作り方』

「日本企業からイノベーションが生まれない本質的な理由は、“ 個人の創造性 ” の問題ではなく、“ 組織の創造性 ” の問題だ」と指摘している本があります。

 

 

本日紹介するのは、慶應義塾大学文学部哲学科を卒業、同大学院文学研究科美学美術史学専攻修士課程を修了して、電通、ボストン・コンサルティング・グループ、ATカーニーを経て、2011年より組織開発を専門とするヘイグループに参画している山口周さんが書いた、こちらの書籍です。

 

 

山口周『世界で最もイノベーティブな組織の作り方』(光文社新書)

 

 

この本は、「イノベーション」をタイトルに謳ってはいるものの、扱っている問題の本質は「組織論」であり、突き詰めていえば「リーダーシップ論」だ、と著者は述べています。

 

 

 

本書は以下の5部構成から成っています。

 

 

1.日本人はイノベーティブか?

 

2.イノベーションは「新参者」から生まれる

 

3.イノベーションの「目利き」

 

4.イノベーションを起こせるリーダー、起こせないリーダー

 

5.イノベーティブな組織の作り方

 

 

 

この本の最後で著者は、イノベーションという英語の語源は、ラテン語「innovare(=新しくする)」で、接頭辞の「in=(内部へ)」をつけて、「自分を新たにする」という意味を持っている、と述べています。

 

 

本来、イノベーションの意味とは、まず「自らを新しくする」ことで、イノベーティブな組織にするには、まず自らがどう変わるかを考えるべきだ、ということです。

 

 

 

本書では、イノベーションに関して、様々な研究成果の知見を引用して、日本企業でなぜイノベーションが生まれないかを分析しています。

 

 

とくに興味深く、納得できる研究や分析は以下の通りです。

 

 

◆ イノベーションは「年齢が非常に若い」か「その分野に入って日が浅い」のどちらかの人材によって牽引される(トーマス・クーン)

 

◆ ヘールス・ホフステードの権力格差指数(PDI=Power Distance Index)が小さいほど、部下が上司に意見を進言しやすく、イノベーションが起きやすい

 

◆ 日本は「見晴らしの悪い」人口構造になっている

 

◆ 聞き耳のリーダーシップが大切

 

 

◆ 課題優先型エリートではなく、好奇心駆動型のアントレプレナーがイノベーションを起こす

 

◆ 同質性の高い人で構成された組織では、意思決定のクオリティが低下する

 

◆ 人は「自分と似た人」とコミュニケーションを取りたがる(情報氾濫する中で情報処理能力に大きな負荷をかけたくない)

 

◆ インターネットは、似た人ばかりで意見や見解を煮詰めていく傾向に(民主主義の危機)

 

 

 

そして、この本の後半では、イノベーションを起こせるリーダーは、「共感を得るビジョン」を示すべきあり、次の3つが必要だ、と説明しています。

 

 

◆ Where (ここではない「どこか」を示す)

 

◆ 共感できる「Why」を示す

 

◆ 納得できる「How」を具体化する

 

 

具体例として、ケネディ元米大統領の「アポロ計画」や、グーグルの「ミッションステートメント」などが紹介されています。

 

 

本書の最後に、具体的にイノベーティブな組織開発のやり方が記載されています。ポイントは以下の通りです。

 

 

◆ 「人材の多様性」を重視した採用活動

 

◆ 人材育成は組織の創造性に重点(①常に自分の意見を持って口に出す、②人に意見を求める)

 

◆ 人材配置では「キャリアをデザインする」という発想を

 

◆ 目標管理制度とは異なる評価基準でイノベーションのプロセスを評価

 

◆ 報酬よりも、挑戦的でやりがいのあるビジョンとそれを実現できる環境を

 

◆ 部下が前に進むのを後ろからバックアップするサーバント・リーダーシップ

 

 

 

あなたも本書を読んで、自らが変わることにより、イノベーティブな組織をつくってみませんか。

 

 

 

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では、今日もハッピーな1日を

 

 

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