「考え方ひとつで人生はしのぎやすくなりますよ。」と優しく伝えてくれる本があります。
本日紹介するのは、東京大学医学部教授を退官し、現在は同大学名誉教授の養老孟司さんが書いた、こちらの新刊新書です。
養老孟司『遺言。』(新潮新書)
この本は、ベストセラー『バカの壁』の著者で医学博士の養老孟司さんが、25年ぶりの完全書き下ろしとして、知的刺激に満ちた明るく面白い遺言です。
本書は以下の10部構成から成っています。
1.動物は言葉をどう聞くか
2.意味のないものにはどういう意味があるか
3.ヒトはなぜイコールを理解したのか
4.乱暴なものいいはなぜ増えるのか
5.「同じ」はどこから来たか
6.意識はそんなに偉いのか
7.ヒトはなぜアートを求めるのか
8.社会はなぜデジタル化するのか
9.変わるものと変わらないものをどう考えるか
10.デジタルは死なない
この本の冒頭で著者は、動物とヒトはどう違うかについて、音の聞き方にフォーカスして解説しています。
そこから、本書のテーマとなっている「感覚所与」と「意識」の対立について述べています。
著者によれば、ヒトは「概念として同じ」、すなわち「イコール」ということを意識として理解するのに加えて、他人(相手)の立場に立って考えることができるのが特徴です。
これを心理学では「心を読む(=mind-reading)と表現します。
さらに、「同じ」と意識する際の脳の働きについて、医学者の立場から著者は専門的な解説をしていて、視覚と聴覚による理解の仕組みの違いについて分かりやすく述べています。
そして、この本の中盤以降では、脳や意識のメカニズムについて、次のような様々な社会現象と結び付けて、興味深い解説をしています。
◆ 一神教が広まった理由
◆ 動物に言葉がいらない理由
◆ 金縛りになる理由
◆ 臨死体験をする理由
◆ 芸術、例えば音楽の生演奏がコンピュータ化されない理由
本書の最後では、社会がデジタル化するのは、意識がデジタルを志向するからであり、現代の情報がデジタルになったことを指摘しています。
そして、感覚と意識の関係について、社会とのかかわりの中で考察されていて、考え方の参考になります。
あなたも本書を読んで、人の意識と感覚に関する思索をめぐらせてみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を