日本とは何か、日本人とは何か、という日本人のための実用的日本論を書いた本があります。
本日紹介するのは、キャノン、ハーバード大学客員教授、慶應義塾大学理工学部教授等を経て、慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科教授の前野隆司さんが書いた、こちらの書籍です。
前野隆司『幸せの日本論 日本人という謎を解く』(角川新書)
この本は、次の3つのコンセプトにて「日本論」、「日本人論」を書いたものです。
◆ システムとしての日本論
◆ デザインとしての日本論
◆ 実用的日本論
そして、この本で著者が書きたかったことは、「日本という国の文化的影響を強く受けた人たちの平均像についての考察」です。
つまり、ここでいう日本人とは、「日本国籍の人」ではなく「日本という国の文化的影響を強く受けた人」という意味です。
本書は以下の13部構成から成っています。
1.日本人という謎
2.これまでの日本論・日本人論・日本文化論
3.日本人の十の特徴とは?
4.日本は中心に無がある国
5.東洋と西洋の二千五百年を俯瞰する
6.世界の中の日本の二千年
7.日本人の十の特徴は良い特徴である
8.日本人は女性的か、男性的か?
9.外国人に「日本人とは」を伝える方法
10.日本はどれくらい特殊なのか?
11.全体が調和し、共生する未来社会
12.繁栄の時代がやって来る
13.至福の森に棲む
この本の冒頭で著者は、数ある「日本論」書籍の中で、批判を承知の上で「肯定的な日本論」を書きたいと述べています。
そしてまず、よく言われる「日本人観」として、日本人の十の特徴を以下の通り紹介しています。
1.日本人には裏表がある
2.日本人は考えをはっきり言わない
3.日本人は必要以上に謝る
4.日本人は人の目を気にする
5.日本人は決断が遅い
6.日本人は意味もなくニコニコ笑う
7.日本人は独立心、自尊心、自己統制感が低い
8.日本人は外国人に対して差別する
9.日本人には海外コンプレックスがある
10.日本人は日本人論が好きである
次に本書では、日本は「無限抱擁の国」だとして、日本人は中心に「無」があることを指摘しています。
「無我がある」と「何もない」は論理的には同じ意味ですが、著者は「無がある」と「何もない」は違っていて、無常、無我、無私というもの、仏教の「諸行無我」から来たものが日本人の中心にはあって、それは「何もない」とは違うことだ、と言います。
日本は、新しいものを受け入れつつも、古いものをずっと維持し続けていて、極めてサステイナブルな国だ、と著者は指摘しています。
つまり日本人は、中心に「無」がある精神構造を持っていて、どんな新しいことも矛盾なく受け入れ、やがて日本化できるということです。
日本は中空国家であり、無限抱擁国家であるからこそ、と言えるでしょう。
そのほか本書の中盤以降では、日本がこれからの世界のモデルになる素質を持っていることを、以下のような特徴から記しています。
◆ 日本は「和」と「美」と「技」の国
◆ 神道と仏教が共存できる国
◆ 合理主義を超越していた相互協調的自己観
◆ 新たな状況に順応する能力であるコーピング
◆ 全体が調和し、共生する未来社会
◆ 森のような国、日本
◆ 全体調和モデルの日本
あなたも本書を読んで、肯定的な「幸せの日本論」を学んでみませんか。
速読法・多読法が身につくレポート 『年間300冊読むビジネス力アップ読書法「17の秘訣」』 を無料で差し上げます。ご請求はこちらをクリックしてください!
https://jun-ohsugi.com/muryou-report
では、今日もハッピーな1日を