「あなたの話が伝わらないのは、“ 講演を科学する術 ” を知らないからです」と、述べている本があります。
本日紹介するのは、吉本興業で「伝説の女マネージャー」と呼ばれ、その後企画会社の志縁塾を設立し、フリーの講師として活躍する一方、2015年にスタートした「講師塾」で講演・研修ノウハウを公開して指導している大谷由里子さんが書いた、こちらの書籍です。
大谷由里子『最新版 はじめて講師を頼まれたら読む本』(KADOKAWA)
この本は、2009年に刊行された『はじめて講師を頼まれたら読む本』をベースとして、最新の情報をもとに、講演内容の事例を新しいものに入れ替えたり、一部の内容をアップデートして、最新版として再構成・リニューアルされたものです。
この8年間に起きたイノベーション、とくにITやSNSの使い方の進化にはめざましいものがあり、講師にとってのそれらの上手な使い方についても、できるだけ補足した、ということです。
本書は以下の3部構成から成っています。
1.講師に必要な心構えは「志」!~ マインド編 ~
2.講師になったら知っておきたいスキル・テクニック ~ 実践編 ~
3.指名される講師になるプロのワザ ~ ステップアップ編 ~
この本の冒頭で著者は、現在は誰でも講師を頼まれる時代で、講師の依頼があった場合には、以下のようなメリットがあるため、ぜひ講師を引き受けるべきだ、と言います。
◆ 自分自身を振り返り、棚卸しができる
◆ 自分の会社や仕事の強みを整理して、まとめる機会になる
◆ メッセージを伝えることによって、自分が生きてきた意味を感じられる
◆ 自分の経験が、世の中のためになることを実感できる
そして、講師に必要な心構えは「志」で、それは次の2点だ、と本書では説明しています。
1.自分にどんなメッセージを伝えてほしくて講師を頼まれたのか
2.自分は、講演を通してどんなメッセージを伝えたいのか
次に講師になったら知っておきたいスキル・テクニックとして、まず「台本をつくる」ことを、著者は挙げています。
台本とは、「5分ネタ」をたくさんつくることで、例えば90分の講演であれば、「5分ネタ」を18本、組み合わせればできますし、「80分で話してくれ」、「60分で話してくれ」と言われても、「5分ネタ」を組み合わせれば、なんとでもなる、ということです。
著者の大谷さんは、「5分ネタ」を180本以上、持っているそうで、お客さんの状況や年齢層などによって、話をアドリブで組み替えることもできる、といいます。
このほかに本書では、講師として必要なスキル・テクニックとして、以下のようなことを挙げています。
◆ 最初の3分、「ツカミ」で勝負!(必ず台本を書く)
◆ 「ツカミ」で行動を促し、客層を知る
◆ 聞き手を安心させる「まず結論から」の鉄則
◆ 「5分ネタ」の中に起承転結を
◆ クイズタイムで聞き手を引き込む
◆ 「語呂合わせ」で印象に残す
◆ 説得力に欠けるときは、「人の言葉を借りる」
◆ 「アイスブレイク」で場の雰囲気を変える
◆ 講演の余韻はシメしだい(シメの話を決めておく)
◆ 小道具を使って聞き手を引きつける
また著者の大谷さんが意識して使っている「5つのS」を、紹介しています。以下の5つです。
1.Story (ストーリー)
2.Simple (シンプル)
3.Special (スペシャル)
4.Speed (スピード)
5.Smile (スマイル)
どれも重要な「S」だと納得できるものばかりです。
また、本番で使える「紙1枚のアンチョコ」として、著者は「5分ネタ」のタイトルを、1枚の紙に書き出しておくことを勧めています。90分の講演なら、18個の「5分ネタ」のタイトルを書いておくのです。
このアンチョコは、講演台本の原型となるもので、台本を丸読みするのではなく、これくらいのアンチョコに頼るほうが自然な話し方になる、ということです。
本書の後半には、前日準備や本番当日での留意事項が書かれていてチェックポイントとして活用できます。
さらに、指名される講師になるプロのワザが紹介されていて参考になります。
あなたも本書を読んで、「講師を科学する術」を学び、聞き手を飽きさせないプロの技を手に入れてみませんか。
私、大杉潤は、「まちの本屋」再生プロジェクトとして、クラウドファンディングにより、読書交流会とトークショー・イベントを開催しています。
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では、今日もハッピーな1日を