三谷宏治氏は、東京大学理学部物理学科を卒業後、複数の外資系コンサルティング会社で勤務した経営コンサルタントだ。28歳の頃から社会人教育にも携わり始め、32歳でグロービス経営大学院にて「経営戦略」の講師を務める。
米国を中心とする経営学者の経営戦略理論に詳しく、見事に整理してみせる手腕は高く評価されている。以前に当ブログでも紹介した『経営戦略全史』(ディスカヴァー21)は数々の賞を受賞している。
本書も、三谷氏の整理する力量がいかんなく発揮された書だ。カタログというタイトルが冠されている通り、思考法と呼ばれるものを、4つの切り口プラス1つの象限からマトリクスによって、計20の思考法に整理している。
まずは、①発想思考と②論理思考に分類する。それぞれに③拡げると④絞るという2つの観点から、マトリクスを4分類し、真ん中に⑤デザイン思考を持ってくる。20の思考法は以下の通りだ。
1.発想×拡げる ブレインストーミング
2.発想×拡げる 逆ブレインストーミング
3.発想×拡げる オズボーンの73の質問
4.発想×拡げる マンダラート
5.発想×拡げる 類比
6.発想×拡げる 異視点
7.発想×拡げる JAH
8.発想×絞る KJ
9.発想×絞る 直感投票
10.論理×拡げる ロジックツリー
11.論理×拡げる プロセスフロー
12.論理×拡げる ベンチマーキング
13.論理×拡げる アンゾフ・マトリクス
14.論理×拡げる TOWSマトリクス
15.論理×絞る 演繹(帰納/仮説的推論)
16.論理×拡げる トレード・オフ マトリクス
17.論理×拡げる 重要思考
18.デザイン思考 観察
19.デザイン思考 試作
20.デザイン思考 テスト
以上、計20の思考法となるが、それぞれの中味については、本カタログをぜひ手に取って確認して欲しい。見える化され、見事に整理されているのが分かるだろう。
判断に迷った時や発想が浮かばない時に、読んで頭を整理すれば効果は抜群だ。組織のリーダーにはぜひ本書を薦めたい。