東京の荻窪に Title という本屋を個人で立ち上げた経験、すなわち、「本屋をつくるにはどうすればよいのか」と考えて実践してきた積み重ねを記録した本があります。
本日紹介するのは、早稲田大学政治経済学部卒で、リブロに入社後、広島店、名古屋店の店長を経て、リブロ池袋本店マネジャーを務めて、2015年7月の同店閉店後に退社し、2016年1月に東京・荻窪に Title という本屋を開業した辻山良雄さんが書いた、こちらの書籍です。
辻山良雄『本屋、はじめました-新刊書店Title開業の記録』(苦楽堂)
この本は、「一つの本屋が生まれたという体験を書き残しておくことは、どこの地域、どんなやり方であろうと、自分のやり方でこれから本を売って暮らしていきたいと思っている人にとっては、役に立つことも少しはあるかもしれない」という理由で書かれました。
そして、「本屋を志す人はもちろんですが、何かを始めようと思っている人の背中を押すようなことがあれば、それに優るよろこびはありません。」と著者は言います。
本書は以下の5部構成より成っています。
1.前史
2.萌芽
3.準備
4.本屋開業
5.プロになりたい
この本の冒頭で著者は、大学を卒業したら「本」以外の選択肢は思い浮かばず、出版社を考えていたのが、ふとしたきっかけから「出版流通の現場から」と題した、書店で働いている人の体験談に興味を持ったと述べています。
その書店員の言葉が、「書店の店頭では、その時代を自由に編集し、提案することができる」というものでした。
そして、書店で働こうと考えた時に、真っ先に浮かんだのが、通っていたリブロ池袋本店でした。そして、有名な田口久美子さんと一緒に仕事をすることになったそうです。
その後、著者の辻山さんは、リブロの福岡、広島、名古屋にある店舗へ転勤し、店の立ち上げや店長を経験した、と言います。そうした経験が後の書店開業に役立ったことは間違いありません。
本書の中盤以降は、東京荻窪に書店を開業するまでの準備、開業前夜、そして開業後の日々について詳しく記しています。興味深いエピソードが満載ですが、ここでは詳細に触れませんので、ぜひこの本をお読みください。
本書の最後には、開業1年目、2年目の結果や、「町の本屋」のこれから、そして開業した Title を閉店する日のことをつねに念頭に置きながら仕事をしている、ことが記されています。
この本の巻末には、「特別付録」として、東西本屋店主対談と題して、著者の辻山良雄さん(東京荻窪・Titele)と堀部篤史さん(京都・誠光社)の対談が掲載されています。
店の運営の実際や、書店経営の考え方など、リアルな話が満載で、読み応えがあります。
あなたも本書を読んで、本屋の開業、経営について、考えてみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を