「男女の関係」ナシに深く結びつく既婚者同士のカップルたち、「セカンド・パートナー」という新しい生き方を克明にルポした本があります。
本日紹介するのは、様々なニュースサイトに寄稿し、著書も多い、フリージャーナリストの秋山謙一郎さんが書いた、こちらの新刊新書です。
秋山謙一郎『友達以上、不倫未満』(朝日新書)
この本は、「取らない、揉めない、でも離れない」という、大人のプラトニック・ラブははたして可能か、を問いかけるルポルタージュで、100人以上の「セカンドパートナーたち」にインタビューして、その赤裸々な実態を描いています。
本書は以下の4部構成から成っています。
1.セカンド・パートナーという関係
2.なぜ、わたしたちはセカンド・パートナーを持つのか
3.セカンド・パートナーのルール
4.セカンド・パートナーは人生を豊かにしてくれるのか
この本で定義している「セカンド・パートナー」とは、次のような人たちを指しています。
◆ 決して男女の関係は持たない
◆ 法でつながり戸籍で結びついた配偶者とは違う
◆ つながるのは心、結びつけるのは魂だけ
◆ その結果、配偶者よりもより深い絆が紡げる
つまり、精神的恋愛関係にある異性の存在を持つ既婚者同士男女(事実婚者を含む)を「セカンドパートナー」の関係と呼んでいて、このプラトニックな関係を保つことで不倫とは一線を画す新たな恋愛の形態が今、増えつつあります。
社会人として、家庭人として順調にキャリアを築いてきた都市部の高学歴層で、とくに人生の分別が付く年齢とされるアラフォー、アラフィフ世代に顕著にみられるのが「セカンド・パートナー」だ、と著者はいいます。
本書の中には、ケース1~ケース16まで、「セカンド・パートナー」関係にあるカップルが具体的に記されていて、配偶者の受けとめ方や、その後の関係の変遷なども含めて興味深く読むことができます。
詳しくはぜひ、本書をお読みいただきたいので、ここでは内容を敢えて書きませんが、「セカンド・パートナー」をどのように考えて関係を続けているのかが分かる、当事者の「生の声」を、以下に紹介しておきます。
◆ やましい関係ではありませんから。だから堂々としておくべきかと。夫に言えないようなことは結婚している以上、しません。
◆ 夫以外に何でも打ち明けられる異性の存在がこれほど有り難いとは思いもしませんでした。
◆ セカンド・パートナーというべき存在の異性との関係が深くなればなるほど、不思議に夫婦関係もよりよくなってきました。
◆ セカンド・パートナーという関係は、互いの配偶者の足りないところ、求めても得られないものを補うもの
◆ 異性の友達とも違います。恋人でもない。配偶者の代わり-それがいちばんしっくりきます。もちろん体の関係は持っていません。不倫とは違いますから。
◆ どちらも心地いい距離感が保てます。パラレルワーカーとして副業や兼業で得られる気づきや人脈を本業にフィードバックできるように、結婚生活でも、彼と過ごす時間で得たことを夫にも与えられます。
◆ 女房よりも優先順位は高いです。ふたりの不倫相手なんて問題外。今や母親以上に私のことを理解してくれている、それが「彼女」なんです。
◆ 「法的な結婚相手」と「精神的なパートナー」が違っているからこそ、社会人として、男として、その幅を広げることができた。
◆ セカンド・パートナーは「コーチ」、配偶者は「就職先企業」
◆ どこか手の届かない存在-その意識があるからこそ、互いを大事にできるのではないでしょうか。婚姻により「自分のモノ」となれば、どうしても関係に甘えが出てくるもの。
◆ たとえいちばん親しい「お友達」にしても、「友人」と言い切るにはこの関係は軽すぎます。
◆ 人間愛です。「ソウルメイト」という言葉でもいいかも知れません。
◆ 戸籍やしがらみといったものにしばられない関係です。体の関係を持たないからこそ長く続く。そんな贅沢な関係を婚姻、つまり「社会的制度」などという手垢に塗れた関係にしてしまうのは無粋というものでしょう。
◆ セカンドパートナーの彼女とは、社会的には「ビジネスパートナー」。お茶したり、食事したり、それは接待の「範疇」でしょう?ホテルでふたり、静かに話し込んだり、映画を観たりするのはビジネスに必要な「研修」です。
◆ 履歴書に書く母校-その母校をより輝かせるための進学や就職は、塾や予備校という、決して表に出ることのない「裏の学び舎」に頼ったもの。セカンドパートナーという存在もそれと同じで、戸籍を入れた社会的な伴侶である配偶者との関係をよりよいものへと導くもの。
あなたも本書を読んで、「セカンド・パートナー」と本書が呼ぶ、友達以上不倫未満という男女交際の実態を学んでみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を