東京五輪を前にマンション価格が上昇しているものの、その裏で管理費や修繕積立金の滞納、相続権の拡散など多くの問題が生まれつつある、と指摘している本があります。
本日紹介するのは、ボストン・コンサルティング・グループを経て三井不動産に勤務している牧野知弘さんが書いた、こちらの書籍です。
牧野知弘『2020年マンション大崩壊』(文春新書)
この本は、スラム化が進むリゾートマンション、都心部でも進むマンション空き家問題、老朽化マンションが抱えるスラム化の危機などを指摘し、将来のタワーマンションやマンション資産価値などを考察している書です。
本書は以下の8部構成から成っています。
1.「地方」の問題ではなくなった空き家問題
2.都心部で進む「マンション空き家問題」
3.老朽化マンションが抱える「スラム化」の恐怖
4.問題解決を阻む管理組合という存在
5.タワーマンションの将来
6.マンションの資産価値を考える
7.解決のための処方箋
8.不動産価値の大変革を迎えて
本書で著者の牧野さんは、東京五輪を前にマンション価格は上昇しているものの、一方その裏では、管理費や修繕積立金の滞納、相続権の拡散など、多くの問題が生まれている、と指摘しています。
とくに首都圏湾岸部に林立するタワーマンションについては、高度な建築技術を使って建設された建物で、資産価値がどうなるかを論じる前に、維持管理のための修繕積立金がまったく足りない、と本書では指摘されています。
また、空室急増で、高齢化によって、孤独死が増え、全国6000万戸時代を迎えて、さまざまな問題が顕在化してきたマンションに未来はあるのか、と問いかけています。
本書の後半では、近年、活発に建てられたタワーマンションの将来や、マンションの資産価値について、詳しく考察されています。
さらに、少子高齢化がさらに進む日本で、こうしたマンションを巡る諸問題にどう対処すべきか、という処方箋が本書では述べられています。
著者の牧野さんは、「マンションは本来、賃貸資産である」と述べていて、容易ではないマンションにまつわる諸問題に対して、空き住戸の転用や権利関係の整理など、さまざまな解決のための処方箋を紹介しています。
本書の最後では、溢れかえる居住用不動産と、首都圏が迎える超高齢化社会と不動産価値について論じています。そして、これまで日本では主流だった「新築信仰」は大きく変化し、新しい住宅価値の考え方が出てくる、と結論づけています。
あなたも本書を読んで、マンションをめぐる問題や将来の住宅価値について、改めて考えてみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を