山井太氏は、新潟県燕三条市に本社があるアウトドア・メーカーの 「スノーピーク」 の代表取締役社長だ。スノーピーク社は、知る人ぞ知る、オートキャンプ用品の世界的なメーカーで、製品の品質に対する評価は極めて高い。
山井社長は、本書の冒頭で、会社のミッション・ステートメント(経営理念)を紹介し、これこそが 「経営のコンパス」 であると述べている。 「スノーピーク・ウェイ」 と名づけられ、以下のコトバが並ぶ。
< The Snow Peak way >
私達 スノーピークは、一人一人の個性が最も重要であると自覚し、
同じ目標を共有する真の信頼で力を合わせ、
自然志向のライフスタイルを提案し実現するリーディングカンパニーをつくり上げよう。
私達は、常に変化し、革新を起こし、時代の流れを変えていきます。
私達は自らもユーザーであるという立場で考え、
お互いが感動できるモノやサービスを提供します。
私達は、私達に関わる全てのモノに良い影響を与えます。
以上のミッション・ステートメントは、スノーピークの経営において何よりも優先する企業理念だ。スノーピークの経営のコンパス、すなわち 「真北の方向」 は顧客の笑顔しかない。
自らがユーザーとして、自分の欲しいものだけを作り、提供している会社だ。米国のアップルも本社に視察に来るほど、徹底して品質に拘ったモノづくりを行っている。
「好きなことだけ!」を仕事にする経営は、多くのアウトドア好きなヘビー・ユーザーから熱い支持を受けている。
本書は、スノーピークという会社の経営がわかる優れた書だ。ぜひ多くの経営者に一読を薦めたい。