ノマド・ワーキングのすすめ

「ノマド」という働き方が大きな注目を集めるようになってきました。これまでは決められた
オフィスにデスクを置いて、毎日そこに通勤して8時間から10時間以上も拘束されて
働くのが一般的な会社員のワーキング・スタイルです。

 

「ノマド」は、そうした伝統的な働き方とは一線を画し、どこでも仕事ができるというスタイル
で仕事をします。

 

この「ノマド」というコンセプトを最初に予言して提唱したのは、「フランスの知性」とも「ヨー
ロッパの頭脳」とも呼ばれるフランスの思想家・経済学者ジャック・アタリです。

 

ジャック・アタリはその著書『21世紀の歴史~未来の人類から見た世界』(作品社)で、
以下のような三つのカテゴリーに分かれるという未来図を描いています。

 

1.ハイパーノマド(21世紀の新しい支配階級)
2.バーチャルノマド(定住民として国家の枠組みにいながらネットを使って国境を超える)
3.下層ノマド(仕事を求めて世界中に出稼ぎに行く)

 

 

世界はフラット化し、国境がなくなりつつあるのは事実ですが、労働力の移動がどこまで
進むのかについては、様々な意見やステージがあることでしょう。

 

ただ、いずれジャック・アタリが予言するような世界が訪れることは間違いないように思
います。あとは時期がいつになるのかということです。

 

ノマドワーキングという働き方が可能になり、世界でどんどん進んでいる背景は、以下の
ような情報通信革命の進展です。

 

1.パソコンが一家に一台からひとり一台というベースで急速に普及している
2.大容量高速通信のネットワークが世界中で整備されつつある
3.インターネットやSNSの進化により、個人が世界の不特定多数に情報発信できる
4.情報発信が大容量・高速度・低コスト且つリアルタイムになっている
5.クラウド技術の発達により、端末や保存容量という制限が撤廃された

 

これらの情報通信ネットワーク分野における技術革新により、個人がノマドワーキング
というスタイルで、世界を相手にビジネスを展開することが可能になってきました。

 

まして会社の仕事を場所を選ばずに行うことなど、大きくハードルが下がり、あとは仕事
や管理に対する考え方をどう整理するか、という問題だけでしょう。

 

私の場合は、以前から日本中の都市や一部、海外への出張業務が多く、長距離且つ
長時間を要する移動が仕事の相当部分を占めるようになっています。

 

とくに飛行機での移動はチェックイン時間の関係から、空港での時間調整などオフィス
以外で仕事をすることが不可避になってきました。

 

空港や移動途中のカフェで、書籍や資料を読み込むこと、自分のアタマで様々な提案
を考えることは、移動中の空き時間に自然と行うようになっています。

 

今ではパソコンやスマートフォンでインターネットにアクセスして情報を取ったり、書類を
確認したりする仕事は増えています。

 

移動中には読書も進むし、何か発想が湧いてくることが多く、私にとってノマド・ワーキ
ングというスタイルは、企画や経営戦略の立案といったクリエイティブな仕事には向い
ているのではないかと思います。

 

あなたも将来を少し先取りして、仕事の中に「ノマドワーキング」の要素を採り入れて
みませんか。また、休日や空き時間にカフェで読書や思索をしてみませんか。

 

では、今日もハッピーな1日を!