書評ブログ

『未来の地図帳~人口減少日本で各地に起きること』

「人口減少社会では、暮らしにおいても、行政サービスやビジネスを展開するにしても、『エリアマネジメント』を抜きにしてはうまくいかない。」と述べている本があります。

 

 

本日紹介するのは、人口減少対策総合研究所理事長、高知大学客員教授のほか、厚労省や農水省などの有識者会議委員も務める河合雅司さんが書いた、こちらの書籍です。

 

 

河合雅司『未来の地図帳~人口減少日本で各地に起きること』(講談社現代新書)

 

 

この本は、20~25年後の日本がどのような姿になっているかをリアルにイメージできるように、47都道府県の人口減少をベースに、未来の「地図帳」として描き出した書です。

 

 

 

本書は以下の5部構成から成っています。

 

 

1.はじめに

 

2.現在の人口減少地図-日本人はこう移動している

 

3.未来の日本ランキング-20年後、日本人はどこに暮らしているか

 

4.それぞれの「王国」の作りかた

 

5.おわりに

 

 

 

この本の冒頭で著者は、日本の人口減少は以下の2段階で進む、と述べています。

 

 

◆ 第1段階: 2042年まで・・・若者が減る一方で高齢者数は増え続ける

 

◆ 第2段階: 2043年以降・・・高齢者も減り、若い世代はもっと減っていく

 

 

つまり、第2段階に入る頃から人口が急落する、と著者は指摘しています。しかも総人口の4割近くを高齢者が占めるようになるため、社会の担い手が不足して、日常生活がいろいろな形で麻痺してくると予測しています。

 

 

 

またさらに大きな問題は、人口減少も少子高齢化も全国一律に進むわけではない、という点です。これからいよいよ、地域差が際立ってくる、ということです。

 

 

 

そうした中で、47都道府県は維持できないし、三大都市圏も終わりを迎える、ということです。

 

 

 

さらに、地域ごとに人口減少のシミュレーションを提示し、都道府県の再編「関西圏」の縮小が現実味をもって語られています。

 

 

 

そこで本書では、その解決策として、「ドット型国家」への移行を提唱しています。

 

 

具体的には、人口減少を前提として、それでも「豊かさ」を維持できるよう産業構造をシフトさせていくことであり、国民生活が極度の不自由に陥らぬよう社会システムを根本から作り替えていくことです。

 

 

 

つまり、従来の発想を転換して「戦略的に縮む」ということ。

 

 

これまでずっと続けてきた「国土の均衡ある発展」から「拠点型国家」へと移行する必要があるのです。

 

 

 

この本の最後で著者は、「令和とは高齢者対策に追われ続ける時代だといってもよい。」と述べています。

 

 

高齢者数がピークを迎え、日本が最大のピンチに陥る2042年「令和24年」です。

 

 

さらに「高齢者の高齢化」も進み、2054年(令和36年)には75歳以上人口が最多になるのです。

 

 

 

著者の河合さんの予測手法は、「徹底したデータの活用」で、主観や希望的観測を徹底的に排除した未来透視だ、と言います。

 

 

 

あなたも本書を読んで、未来の地図帳の描き方を学んでみませんか。

 

 

 

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では、今日もハッピーな1日を!