書評ブログ

『不良という矜持』

「私の言う不良とは、枠にはまらぬ自由な人間の事である。ゆめ職業の顔などに染められず、自分自身の人生を自由に思う存分行きたい。」と述べている本があります。

 

 

本日紹介するのは、1936年生まれ、早稲田大学教育学部国語国文学科卒業後、NHKに入局アナウンサーとして活躍後フリーとなり、民放キャスターとして文筆活動に入り、多くのベストセラーを世に出している下重暁子さんが書いた、こちらの新刊書籍です。

 

 

下重暁子『不良という矜持』(自由国民社)

 

 

この本は、『不良老年のすすめ』という本を書いた著者が、不良老年をいかに愉しんでいるか、どうすれば枠にはめられず自由に生きられるかのヒントを対話形式で答えている書です。

 

 

 

 

これまで活字については自分自身の手で書く事にこだわってきた著者が、独りよがりにならぬために信頼する女性ライター藤原千尋さんに任せて書いた書です。

 

 

 

本書は以下の6部構成から成っています。

 

 

1.不良老年とは、自分に「汲めども尽きせぬ興味」を持つ

 

2.不良老年は、「世間の枠」にはまらない

 

3.不良老年は、「飛ぶ覚悟」を持っている

 

4.不良老年は、自分だけの「秘め事」を持っている

 

5.不良老年は、「本物」をとことん追求する

 

6.不良老年は、自分の最期を楽しんで演出する

 

 

 

この本の冒頭で著者は、自分に興味を持ち、自分を知ることが大切だと述べています。連れ合いとの関係も自立した関係を提唱しています。

 

 

 

そして私が最も興味深く読んだのは、“ 八十にして「もの書きで食う」が叶ったわけ ” という理由を解説した部分です。

 

 

 

私も、70歳から「サードキャリア」に移行して、“ ハワイで執筆業一本で食べていく ” ことをビジョンとして掲げているので、自分事としてじっくりと著者の言葉を噛みしめて読みました。その要諦は以下の通りです。

 

 

◆「物書きになるという思いをあきらめませんでした。」

 

◆「 いつか必ず物書き一本で、作家として食べていけるようになってやる。」

 

◆「自分にはそれだけのものがあるはずだって、自分を強く信じ続けた」

 

◆「自分が諦めたら花開くわけない。」

 

 

 

そして、『家族という病』ベストセラーになったのを転機に、80歳にして「物書きだけで食べていけるようになった」という著者の次のフレーズを見たとき、自分はまだまだ足りない、と心底感じて、涙が出そうになりました。

 

 

「振り返れば、本当に長かった、時間がかかりました。だって、八十ですよ、八十直前。でも諦めずに続ければ、叶うのよ。」

 

 

「不思議なもので、人間 『こうなりたい』って思い続けると、おのずとそっちに向かっていくんです。少しずつだけれど、確実になりたい方に近づいていく。長い時間がかかってもいつか必ずたどり着くものなんです。」

 

 

 

ほんとうに勇気がもらえて、背中を思いっきり押される言葉です。そして、次の言葉で締め括られています。

 

 

「やりたいことを叶えるのに何が大事かって、一番は『自分はできるんだ』と思うこと。才能があるかどうかじゃありません。『そうなってみせる』と思えるかどうかってことなんです。」

 

 

 

馬鹿みたいにそう思える「おめでたさ」を持つ才能。人間にはおめでたい才能ってあるんですよ、と著者は言います。

 

 

 

そして、チャンスがやって来るまで諦めない「待つ姿勢」が大事なんです、と著者は述べています。

 

 

 

また本書の終盤では、読書についても言及されていて、強く共感しました。本は理屈でなく「感性」で読めということ。

 

 

本を読むと知的な刺激を受けるし、物事を深く考える力も養われます。読んでいるうちに過去の記憶も呼び覚まされることもあるから、物忘れも少なくなる。

 

 

実際、読書が健康長寿に役立つというデータもあるそうです。

 

 

 

やっぱり本っていうのは、役立つからという理屈で読むのではなく、好きなものを読む「感性」で読むのがいい、と本書では推奨しています。

 

 

 

この本の最後で著者は、「人間、生涯現役が当たり前」とも述べています。まさに私が『定年後不安 人生100年時代の生き方』(角川新書)にて提唱したトリプルキャリアによる「生涯現役」の人生設計というのと同じコンセプトで強く共感します。

 

 

 

 

あなたも本書を読んで、不良(=枠にはまらない自由さ)という矜持を持って生きてみませんか。

 

 

 

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では、今日もハッピーな1日を!