『直線は最短か?~当たり前を疑い創造的に答えを見つける実践弁証法入門~』

2020.06.23 (火)

「僕がこれまでの人生の中で、どのように弁証法を生かしてきたかを紹介しつつ、弁証法の使い方を考えていきます。」と述べている本があります。

 

 

本日紹介するのは、1966年生まれ、京都大学経済学部卒、電通を経て、カリフォルニア大学バークレー校にてMBA取得後、シリコンバレーのベンチャー企業に勤務、その時にかつてプロデューサーとして参加した映画がカンヌ映画祭短編部門でパルム・ドール賞を受賞、帰国後は経営技術の普及活動に取り組んでいる阪原淳(さかはら あつし)さんが書いた、こちらの書籍です。

 

 

阪原淳『直線は最短か?~当たり前を疑い創造的に答えを見つける実践弁証法入門~』(YAMAHA)

 

 

この本は、著者がこれまでの人生の中で、どのように弁証法を生かしてきたかを紹介しつつ、ヘーゲルの弁証法の使い方講義形式で提示している書です。

 

 

 

本書は以下の11部構成から成っています。

 

1.弁証法は最高の「道具」だ

 

2.なぜ、今、弁証法なのか?

 

3.「アウフヘーベン」を理解しよう

 

4.弁証法で世の中を読み解く

 

5.人生をぶち抜く高速道路効果

 

6.バカこそ寄り道をせよ

 

 

 

7.反省は役に立たない

 

8.自分だけのストーリーをつくれ

 

9.創造のためにはルールから決める

 

10.大きな成果を手にするあと一歩の極意

 

11.テクニックは全部捨てろ

 

 

 

この本の冒頭で著者は、ヘーゲルの弁証法は、哲学を専門としない自分のような人間だからこそ応用でき、たとえば「さまざまな問題を解決する」「目的をかなえる」「自分の能力を「育てる」「創造性を高める」ためにとても役に立つ、と述べています。

 

 

 

そして、本書は次のような人たちに向けて、講義形式で弁証法を使った解決法を提示・解説しています。

 

 

◆ 新しいアイデアを求めている人

 

◆ ジレンマに苦しんでいる人

 

◆ 何かに挑戦している人

 

◆ 何かを学んでいる人

 

◆ 何かに挫折し、もがいている人

 

◆ これから何かをやってみたい人

 

 

 

弁証法は著者の阪原さんの人生を作り、育ててくれた、とっておきの「道具」だ、とこの本では説明しています。

 

 

 

ヘーゲルの弁証法を考えるとき、しばしば「矛盾」という言い方をしますが、著者はむしろ「異質」という理解をし、「異質なふたつの要素を統合させる」ことが弁証法の根幹だと説明しています。

 

 

 

例えば、ソーセージ(=テーゼ・正)とパン(=アンチテーゼ・反)が統合して、ホットドック(=ジンテーゼ・合)になる、ということです。

 

 

 

このように異なる要素をぶつけ合って、より高い次元に上がるプロセスを日本語では「止揚(しよう)」、ドイツ語では「アウフヘーベン(Aufheben)」と言います。

 

 

 

この「テーゼ」と「アンチテーゼ」から「ジンテーゼ」を生み出すというヘーゲルの弁証法は、何にでも応用可能な道具、つまりグランドセオリー(一般理論)なのだ、と本書では解説しています。

 

 

 

つすいて、著者の「映画づくり」の原点になったアメリカの短編映画『Bean Cake(おはぎ)』(2001年、デヴィッド・グリーンスパン監督)がカンヌ映画祭で最高賞パルム・ドール賞を受賞したことを紹介しています。

 

 

 

この作品が生まれた背景には、著者が弁証法を使って、京都に留学中だったデヴィッド・グリーンスパン映画テーマに関するアドバイスをしたそうです。

 

 

 

詳細な内容はぜひ、本書をお読みいただきたいのですが、著者は「小泉八雲の作品を原作に映画を作ればいい」とアドバイスしました。その後、デヴィッドは小泉八雲の『赤い婚礼』という作品を原作に『Bean Cake(おはぎ)』を卒業作品として制作したのです。

 

 

 

続いて著者は、弁証法の活用法について、著者の経験を交えながら、その本質を説明しています。私が共感する主なポイントは以下の通りです。

 

 

◆ アウフヘーベンとは、①量と質の転化、②対立物の相互浸透、③否定の否定という3つの法則から成る

 

◆ 技術史観で歴史を紐解くと、人類は弁証法的発想の繰り返しによって発展してきた

 

◆ 自分のやってきたことの「意味」を改めて問い直す、これまでの経験や思い、自分の強みなどを整理し、蓄積の棚卸しをしてみる

 

◆「直線は最短ではない」という人生の「高速道路効果」(神経質な馬、ミスターシービーの戦い方)

 

 

 

◆ 敢えて「寄り道」をせよ(=困っているところにこそヒントがある)

 

◆ こけたらラッキー、正しく失敗する方法を学ぶ(=弁証法的発想で行動を変えればいい)

 

◆ サルベージバリューを計算して、再起不能にならない投資をする

 

◆ 時間軸でアウフヘーベンさせる(=過去の自分+現在の自分→成長した自分という自分が主役の人生ストーリー)

 

 

 

◆ 創造とは破壊と調和(=陶器を叩き割って、破片を集め、接着剤でくっつけていく)

 

◆ アウトプットし続けると、インプットに対する嗅覚が鋭敏になる

 

◆ 天才の定義は、「すべての仕事で創造的で、品質が安定して高く、量がある」

 

◆ 天才は天才から学ぶ(ナポレオン→カルタゴの将軍・ハンニバル→マケドニア王国・アレキサンダー大王→アリストテレス)

 

 

 

この本の中で著者の経験として、新宿の理容室「ザンギリ」コンサルティングをした事例が何度か出てきます。1000円カットの理容室が全盛の時代に、敢えてフルサービスで他にない付加価値を付けた戦略で事業を伸ばしている理容室の例です。

 

 

 

詳細はぜひ、著書『小さくても勝てます』(ダイヤモンド社)を参照してください。2018年10月29日付ブログの書評、2020年5月4日付YouTube動画での紹介も併せてご覧ください。

 

 

『小さくても勝てます』

 

 

 

 

この本の後半で著者は、「他人の力を遠慮なく使え」と説き、自分を伸ばして世に出してくれる「料理人に見つけてもらいやすいコツ」として、以下の3点を挙げています。

 

 

1.とっかかり

 

2.素直さ

 

3.大欲

 

 

 

そして、「ほんとうにやりたいことは何か」を考え抜き、自分だけのスタイル、自分だけの生き方の構え、自分だけの考え方を練り上げて欲しい、と提唱しています。

 

 

 

大切なことは、自分の根っこ(=根本の価値観、教養)で、芸術で言えば「ドクマ」とも言うものです。

 

 

 

あなたも本書を読んで、最悪をプラスに変える最強の思考法である弁証法を学び、活用して、人生を切り拓いていきませんか。

 

 

 

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では、今日もハッピーな1日を!【2430日目】

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