定年を迎えるにあたって、「退職金や年金、定年後の働き方や住まいの不安がある」「何から準備すればいいか分からない」と感じている方に向けて、定年前後の“お金と手続き”の全体像を丁寧に解説した実用書があります。
本日ご紹介するのは、中央大学文学部卒業、一般企業に勤務後、46歳からFP・社会保険労務士に転身し、現在は社会保険労務士法人に勤務している社会保険労務士の佐藤敦規さんと、早稲田大学政治経済学部卒業、設立間もないベンチャー企業から上場企業まで幅広いクライアントをもつ税理士・CFPである土屋裕昭さんが監修した、こちらの書籍です。
佐藤敦規・土屋裕昭『図解即戦力 定年前後のお金と手続きがこれ1冊でしっかりわかる教科書』(技術評論社)
この本は、人生100年時代を見据えて、「定年退職」という大きな転機を機に必要となる年金・社会保険・税金・住まい・介護などの知識と準備を体系的にまとめた実用ガイドです。
本書は以下の10部構成から成っています。
1.みんなが不安!定年前後のココが知りたい
2.定年後に向けたお金を増やすヒント
3.定年前後の手続きのキホンをおさえる
4.退職金の受け取りで損をしないための手続き
5.定年後に選べる健康保険の6つの加入手続き
6.定年後の働き方と手続き&仕事の探し方
7.もらえるものはもらう!年金の正しい知識と手続き
8.万が一に備えて知っておきたい介護保険の手続き
9.定年後も逃れられない所得税・住民税のキホン
10.定年前後で解決しておきたい住まいの問題とお金
この本の冒頭では、「年齢別 定年前後の年金・社会保険・税金ToDoリスト」および「行先き先別 年金事務所・ハローワーク・市町村・税務署 手続き対応リスト」が掲載記されています。
本書の前半では、特に“定年”というイベントに伴って発生する基本知識や準備すべき手続きについて、以下のようなポイントが図解入りで分かりやすく紹介されています。
◆ 「定年=60歳」と「雇用延長=65歳まで」の違いと現実的な働き方
◆ 再雇用や再就職、嘱託などの違いと収入・社会保険の影響
◆ 定年後もらえる「失業手当」や「高年齢雇用継続給付」の仕組み
◆ 退職金の受け取り方の違い(⼀括・年金・併用)による税負担の違い
◆ 「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」を使った年金額の見える化
本書の中盤では、「定年後のお金を守る・増やす」ための知識や制度の使い方が解説されています。主なポイントは以下の通りです。
◆ 生命保険・医療保険の見直しと“不要な保険”の整理
◆ 借入金(ローン)と税金控除制度の賢い利用方法
◆ 新NISAやiDeCoの仕組みとメリット・デメリット
◆ 健康保険加入の6つの選択肢と損しない手続き方法
◆ 定年後の仕事探しに役立つ「シルバー人材センター」や「マルチジョブホルダー制度」
本書の後半では、「介護・住まい・税金・相続」まで含めたライフプラン設計について、以下のような実務的知識が詳述されています。
◆ 介護保険制度の利用方法と費用の目安
◆ 住み替え・リフォーム・空き家対策と固定資産税の軽減措置
◆ 公的年金・個人年金にかかる税金と確定申告の判断基準
◆ 高齢者施設の種類と選び方、費用の相場
◆ 遺族年金や相続に関する基礎的な制度と手続き
この本の締めくくりとして、「定年後を生き抜くためには、“複雑な制度を理解し、必要な行動を早めにとること”が何より重要である」と述べられています。
あなたも本書を読んで、「定年前後の“お金と手続き”」に関する不安を解消し、損をしないための知識と行動をいまから備えて実践してみませんか?