「なぜその人はそういった生きづらさや苦悩を抱え込んでいるのか。その本質の背景にあるものは何なのか。」と問いかけ、「みんな幸せになりたい」というテーマを取り扱っている本があります。
本日紹介するのは、京都大学工学部を卒業し建設コンサルタント会社に勤務後、神戸大学医学部を卒業。児童精神科医として精神科病院や医療少年院等に勤務、2016年より立命館大学教授、現在は立命館大学大学院人間科学研究科教授、医学博士の宮口幸治さんが書いた、こちらの書籍です。
宮口幸治『歪んだ幸せを求める人たち:ケーキの切れない非行少年たち3』(新潮新書)
この本は、5つの歪みのケースを挙げながら、「歪んだ幸せを求める人たち」の背景を探り、本人や周りがどう感じて行動すれば、そういった歪んだ幸せを求めることから距離をとれるかを考えている書です。
本書は以下の4部構成から成っています。
1.歪んだ幸せを求めてしまった人たち
2.幸せの前に立ちはだかる5つの歪み
3.身近にある歪み
4.歪みの壁を乗り越えるために
この本の冒頭で著者は、幸せを感じる具体的なもの(愛情、人からの承認、お金、物の所有、仕事の成功など)を求めすぎてしまうことで生じる「5つの歪み」を次の通り紹介しています。
◆ 怒りの歪み
◆ 嫉妬の歪み
◆ 自己愛の歪み
◆ 所有欲の歪み
◆ 判断の歪み
本書の前半では、「歪んだ幸せを求めてしまった人たち」について以下のポイントを説明しています。
◆ 叔母の犬を助けて命を落とした甥っ子
◆ 相手を喜ばせたいという動機が相手を悲しませる
◆ マナーの悪さが命取りに
◆ 窃盗の被害者に生まれた加害者への殺意
この本の中盤では、「幸せの前に立ちはだかる5つの歪み」および「身近にある歪み」について解説しています。主なポイントは次の通りです。
◆ 自己愛性パーソナリティ障害と診断はつかないが「自己愛の歪み」も
◆「判断の歪み」のポイント:①自分の頭でしか考えられない、②判断を歪ませる原因がある
◆ 認知機能レベル、情動のレベル、思考のレベル、行動のレベル、固定観念のレベル
◆ 自分の時間だけを大切にする、時間を気にしない、これだけやってあげたのに・・・
◆ 身近な固定観念の歪み
本書の後半では、「歪みの壁を乗り越えるために」ついて説明しています。とくに共感できるポイントは以下の通りです。
◆ 相手のストーリーを知る
◆ 自分のストーリーを見直す
◆ みんな幸せになりたい
◆ 自分を見てほしい
◆ みんなの役に立ちたい
◆ 相手のストーリーの歪みを正すのは難しい
◆ 怒りの行動は、認知の問題、思考の問題、感情の問題
◆ ストレスの対処法、 問題解決トレーニング
◆ 他人と比較しない、比較されない
◆ マイナスもバランスを取るために生まれた現象
この本の締めくくりとして著者は、「勘違いや思い込み、すれ違いは何故起こるのだろうと考えていくうちに、本書のメインテーマである『みんな幸せになりたい』といったことが実感を伴いながらジワジワと浮かび上がってきたのです。」と述べています。
あなたも本書を読んで、「ゆがんだ幸せを求めていないか」を自ら問い直してみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!【3458日目】