「ほとんどの人は、時間の使い方によって人生の成功と幸福が決まることを実感しているようです。時間を無駄に使うことは、すなわち人生の無駄使いにつながるわけですから、これは当然のことでしょう。」と述べている本があります。
本日紹介するのは、1976年生まれ、慶應義塾大学SFC卒業後、出版社勤務を経て独立し、10万本の科学論文の読破と600人を超える海外の学者や専門医へのインタビューを重ねながら、現在はヘルスケアをテーマとした書籍や雑誌の執筆を手がける新進気鋭のサイエンスライターである鈴木祐さんが書いた、こちらの新刊書籍です。
鈴木祐『YOUR TIME ユア・タイム: 4063の科学データで導き出した、あなたの人生を変える最後の時間術』(河出書房新社)
この本は、科学的根拠に基づき、「時間不足を根本から解消し、あなたにとって有意義な時間を増やす方法」を具体的に解説している書です。
本書は以下の8部構成から成っています。
1.はじめに 時間術の「不都合すぎる」真実
2.時間術の罠に気づく
3.未来をやり直す
4.過去を書きかえる
5.効率化から解き放たれる
6.退屈を追い求める
7.おわりに ほどほどの誤りを受け入れる
この本の冒頭で著者は、「時間術の不都合な真実」について紹介し、「万人に効果がある時間術は、いまだひとつも見つかっていない」と述べています。
そして、端的なまとめとして、次の3点を指摘しています。
◆ 私たちが本当に気にすべきは、時間ではなく「時間間隔」である
◆ 時間は平等だが、「時間間隔」には個体差がある
◆ 個体差に合わせて「時間間隔」さえ書きかえれば、あなたは時間を有効に使える
本書の前半では、「時間術の不都合すぎる真実」および「時間術の罠に気づく」について、以下のポイントを説明しています。
◆ 時間術を駆使しても仕事のパフォーマンスはさほど上がらない
◆ 時間の効率を気にするほど作業の効率は下がってしまう
◆「時間をマネジメントする」という発想の根本に無理がある
◆ 時間術は幸福度を高める技法としてとらえ直すべき
◆ 時間術の大半はそもそも時間の使い方とは関係がない
◆ 人間の脳はつねに確率の計算をしている
◆ 脳の目的は「人生の確率分布」の把握である
◆ 未来: 次に起きる確率が高い変化を「予期」したもの
◆ 過去: 前に発生した確率が高い変化を「想起」したもの
◆ 正しい時間術とは、あなたの「予期と想起」を調整するもの
この本の中盤では、「未来をやり直す」および「過去を書きかえる」について解説しています。主なポイントは次の通り。
◆ 予期の現実感が濃い人ほど資産額が多い
◆ 予期の個体差は4パターン:①禁欲家、②容量超過、③浪費家、④無気力
◆ 禁欲家は、プレコミットメントを中心に
◆ 容量超過は、プレコミットメント+SSCエクササイズ
◆ 浪費家は、タイムボクシングとSSCエクササイズ
◆ 無気力は、アンパッキングとビジョンエクササイズ
◆「想起」の4パターン:①自信家、②楽天家、③怖がり、④悲観主義
◆ 自信家、楽天家は、タイムログ・アドバンス分析
◆ 怖がり、悲観主義は、ネガティブ想起改善リスト
本書の後半では、「効率化から解き放たれる」および「退屈を追い求める」について考察しています。主なポイントは以下の通りです。
◆ 生産性を上げるほど忙しくなる
◆ 生き甲斐の感覚が強い人ほどストレスに強く、免疫システムが健全で寿命が長く幸福
◆ 楽しいこと、世間が必要とすること、金銭がもらえること、得意なことが生きがい
◆ 認知の耐性がない人ほど深い思考ができない
◆ 他人のために活動すると時間感覚が長くなる
◆ 時間の流れ方は、時間や文化によって大きく変わる
◆ 時間の流れ方の認識は、私たちの時間不足の認識に影響する
◆ 時間を意識する「クロックタイム」
◆ イベントを意識する「イベントタイム」
この本の巻末には「技法リスト」および参考文献が掲載されていて参考になります。
あなたも本書を読んで、科学データで導き出した人生を変える時間術を学び、時間不足の根本解決に踏み出してみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!【3153日目】