「海外に拠点を移し、外国の永住権をとった日本人は過去最高57万5千人で、6割以上を女性が占めます。」「働き盛り世代でも『若者流出』は着実に進む。」と述べている本があります。
本日紹介するのは、朝日新聞「わたしが日本を出た理由」取材班が書いた、こちらの新刊新書です。
朝日新聞「わたしが日本を出た理由」取材班『ルポ 若者流出』(朝日新書)
この本は、2023年1~8月にかけて、朝日新聞、朝日新聞デジタルに掲載された連載「わたしが日本を出た理由」に新たに取材を加えて構成・加筆したものです。
本書は以下の5部構成から成っています。
1.「日本では未来がつぶれてしまう」― 働きづらい国からの脱出
2.「短期で稼ぐのと移住は別」― 海外就労の光と影
3.増える教育目的の移住 ― 日本型教育への疑問とマレーシアという選択
4.「自分が自分として生きていていいんだ」 ― ジェンダー後進国を出た理由
5.国を超えて働ける時代へ ― 低くなった海外移住のハードル
この本の冒頭で著者は、「まず、海外で働いている人たちを手分けして探し、話を聞かせてもらうことにした。」と述べています。
そして「まさか自分が海外に住むとは思ってもいなかった。」という取材に応じてくれた人の言葉を紹介しています。
本書の前半では、「日本では未来がつぶれてしまう ― 働きづらい国からの脱出」について説明しています。主なポイントは以下の通り。
◆ 看護士資格を持って娘とカナダに渡って増えたお金と余暇
◆ カナダでは家族のかたちも多様
◆ 教育現場への不信から保育士不足のカナダへ
◆ 増える海外移住が日本の「人口減」を加速
◆ うつ病になって職場で孤立する日本
この本の中盤では、「短期で稼ぐのと移住は別 ― 海外就労の光と影」および「増える教育目的の移住 ― 日本型教育への疑問とマレーシアという選択」について解説しています。主なポイントは次の通りです。
◆ 警察官と自衛官の夫婦がカナダで保育士と寿司職人に
◆ カレッジで学び永住権取得を目指す若者
◆ 年間40万人に永住権が発行される移民大国・カナダでハードルは「英語力」
◆ 国際的に最も過酷な労働環境の日本の保育士
◆ 外国人であることを実感しないで暮らせるカナダの多様性が人気の理由
◆ マレーシアのインターナショナルスクールを選ぶ日本の親たち
◆ 決め手は教育の選択肢の多さ
◆ 英国式カリキュラムのインター「エプソムカレッジ・マレーシア」の人気
◆ 充実の寮生活と多種多様なチャレンジで「暇を与えない学校」
◆ 世界で進む「オルタナティブ」教育
本書の後半では、「自分が自分として生きていていいんだ ― ジェンダー後進国を出た理由」および「国を超えて働ける時代へ ― 低くなった海外移住のハードル」ついて、以下のポイントを説明しています。
◆ カナダで生きることを選んだゲイたち
◆ 女性医師が少なく過酷な労働環境の日本からカナダでつかんだキャリア
◆ 好きな場所、時間で働くとパフォーマンスが上がる
◆ コロナ禍の反動で海外転出が本格化
◆ 待遇が悪ければ、日本の会社を見限る
この本の締めくくりとして著者は、「転職などで会社を辞めた人の4割は、会社に本当の理由を伝えていない」という記事を紹介しています。会社を辞めた本当の理由は、「人間関係が悪い」「給与が低い」「会社の将来性に不安」だそうです。
あなたも本書を読んで、「進まない多様性」「変わらない教育」「しんどい職場」の日本に我慢し続けるのではなく、大きな潮流になりつつある「海外へ脱出する」という選択を考えてみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!【3395日目】