「インデックス投資では物足りない。本当に価値ある企業に投資し、長期で2倍以上の成長を狙いたい」――そんな投資家の思いに応える一冊があります。
本日紹介するのは、米ウォール街で40年以上にわたり活躍し、バロンズ誌で7年連続全米No.1投資家に選ばれた実績を持つ投資アドバイザーで、金融ニュースレター『アルファ・インベスター』編集長のチャールズ・S・ミズラヒさんが書き、国際政治学者・未来学者でメディア出演や著作多数の藤井厳喜(ふじい・げんき)さんが監修・解説した、こちらの書籍です。
チャールズ・S・ミズラヒ、藤井厳喜 監修『バリュー投資の核心 4つの基準による米国株長期投資術』(APJ Media)
この本は、ゴールドマンサックスやシティグループなど大手金融機関で資産運用を担当し、ブラックマンデーやITバブルの危機を事前に予測・回避してきた著者が、40年超の経験から導き出した「4つの基準による長期バリュー投資術」を体系化したものです。インデックス投資から卒業し、“本当に価値ある企業” に集中投資して長期保有する戦略を解説しています。
本書は以下の11部構成から成っています。
1.バリュー投資をめぐる5つの誤解
2.バリュー投資の基本
3.市場の警告―過去の教訓に学ぼう
4.優良企業は優良な投資先か―チャンピオン企業に集中投資しよう
5.トップは誰か―経営陣を信頼できる企業を選ぼう
6.競争は脅威か、それともチャンスか―長続きする競争優位性を探そう
7.数字から企業価値を判断する―財務諸表の基本
8.数字を手がかりに優良企業を発掘する―財務諸表の活用
9.株価と企業価値
10.投資家最大の敵
11.バリュー投資の基本原則
この本の冒頭で著者は、長期で成果を上げるためには「派手さよりも地道な企業分析と価値判断」が不可欠であり、株価の上下に振り回されず、“企業価値に比べて割安な株” を見極めることが重要だと述べています。
本書の前半では、「バリュー投資の誤解」「基本」「市場の教訓」および「チャンピオン企業への集中投資」について解説しています。主なポイントは以下の通りです。
◆ バリュー投資は地味で時間のかかる手法だが、長期では高い確率で成果を出す
◆ 株価ではなく企業価値に基づいて投資判断を行うことが重要
◆ 過去の市場暴落から学び、群集心理や過熱相場を回避する
◆ 世界トップレベルの“チャンピオン企業”に集中投資することで、長期的な複利効果を享受する
◆ 短期売買やタイミング投資に頼らず、長期保有で成果を積み上げる
この本の中盤では、「経営陣の信頼性」「競争優位性」および「財務諸表の理解と活用」について掘り下げています。主なポイントは次の通りです。
◆ 経営陣の能力と誠実さが長期投資の成否を左右する
◆ 競合環境を脅威ではなく機会として捉え、持続的な優位性を持つ企業を選ぶ
◆ 財務諸表は企業の“健康診断書”であり、読み解く力が投資の武器となる
◆ 数字をもとに、過小評価されている優良企業を発掘する
◆ 投資判断は感覚や噂ではなく、数字と事実に基づくべきである
本書の後半では、「株価と企業価値」「投資家心理」および「バリュー投資の基本原則」について考察しています。主なポイントは以下の通りです。
◆ 株価の短期変動に一喜一憂せず、企業価値との乖離に着目する
◆ 最大の敵はマーケットではなく、自分自身の感情や衝動である
◆ バリュー投資の基本原則を守ることで、長期的に市場平均を上回る成果を狙える
◆ 投資判断は常にシンプルに保ち、複雑化させない
◆ 長期で資産を増やすには、忍耐と規律が不可欠である
この本の締めくくりとして著者は、「寿司職人が素材を選び抜くように、投資家も時間をかけて本当に価値ある企業を選び、熟成させるべきだ」と述べています。つまり、焦らず、確かな基準で選び抜いた企業に長期で投資する――それこそが “バリュー投資” の核心なのです。
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では、今日もハッピーな1日を!【3822日目】