「心の中にうつを引き起こすような原因というか引き金のようなものがあり、それをうまく見つけて修正するとうつが良くなることに気づいたのです。」と述べている本があります。
本日紹介するのは、1958年生まれ、国立大学の医学部を卒業し、大学院博士課程を修了後、市立の病院で内科医として勤務、1987年から大学で遺伝子の研究を行い、助教授に就任、米国マサチューセッツ州ボストン大学に留学し、ドイツの学術出版社スプリンガー社から原稿依頼を受け、研究概要を執筆、2002年から保健所に勤務し、保健センター長に就任し、2009年から大手企業の専属産業医となり、休職者の復職支援を行った後、現在は退社して執筆活動を行っているくずまき たけじろう さんが書いた、こちらの書籍です。
くずまき たけじろう『会社でうつにならないための7つの技術』(青春出版社)
この本は、うつにならないために役立つ心の技術をわかりやすく7つまとめた書です。
本書は以下の3部構成にて7つの「心の技術」から成っています。
1.基礎編
2.実践編
3.応用編
◆ 心のメカニズムを知り自分の思考を把握する~中核信念と自動思考~
◆ 思考の偏りがうつの原因になることを知る~やじろべえモデル~
◆ 自分の思考の偏りに気づく~過去を振り返り、アドバイスを聞く~
◆ 思考の偏りを修正する~意識思考でバランスを回復させる~
◆ 思考の柔軟性を高める~アナザーシンキング~
◆ プチ・ハピネスを大切にする~ストレスを軽減させる心の癒し~
◆ 苦しいときは考えを変えることを忘れない~最後で最初の切り札~
この本の冒頭で著者は、「心の技術」とは、自分の考え方をコントロールするやり方、と述べています。
本署の前半では、7つの心の技術の基礎編として「中核信念と自動思考」および「やじろべえモデル」について、次のポイントを解説しています。
◆ 自動思考は瞬間的に浮かぶ考え
◆ 自動思考の内容を決めているのは、心の奥深くにある中核信念(スキーマ)
◆ 中核信念⇒自動思考⇒感情という心のメカニズム
◆ 心のメカニズムを明らかにしてうつ病の治療をする「認知行動療法」
◆ 一種類の思考を繰り返すと思考が偏り、うつの原因になる
◆ 思考の偏りを可視化する「やじろべえモデル」
◆ 中核信念が意味づけするフィルター機能が思考の偏りを生む原因
◆ 白黒思考、結論の飛躍、すべき思考、自己関連化が認知のゆがみ
◆ 仕事で鬱うつになる人に多く見られる「完璧主義」と「強い責任感」
◆ 思考の硬直性が思考の偏りを助長させる
この本の中盤では、7つの心の技術の実践編として「過去を振り返り、アドバイスを聞く」および「意識思考でバランスを回復させる」について考察しています。主なポイントは以下の通り。
◆ 認知のゆがみを参考に、自分が持っている「考え方の傾向」をつかんでおく
◆ 過去の出来事は変えられないが、その時の感じ方、考え方は変えられる
◆ 他者責任も自己責任も両方考えなくてはバランスが取れない
◆ 減点法に偏らず、加点法も取り入れる
◆ 人のアドバイスに耳を傾ける
◆ 自分の意見を上手に話す
◆ 人生には節目の時期がある
◆ 自分の思考の偏りに気づけば、問題は半分解決している
◆ 自動思考で崩れたやじろべえのバランスを意識思考によって回復させる
◆ まず正反対のことを考えてみる
◆ 考えを置き換えるよりも考えを増やす
◆ 意識思考が習慣化して中核信念に影響を与える
本書の後半では、7つの心の技術の応用編として「ストレスを軽減させる心の癒し」および「最後で最初の切り札」について解説しています。主なポイントは以下の通りです。
◆ 思考の柔軟性には「アナザーシンキング」(別の考え方を探す)
◆ アナザーシンキングとは、別の考え方をたくさん見つけること
◆ ポジティブシンキングのような「指向性」を持たない
◆ 偏った思考を見つけて修正するために「ワークシート」を使う
◆ バランスを回復させる心の癒し、プチ・ハピネス
◆ プチ・ハピネスは自分探し
◆ 一気に押し寄せる考えをひとつひとつ整理してみる
◆「考えを変える」という最後の切り札
この本の締めくくりとして著者は、「とにかくまずやるべきことは、苦しいから何か別のことを考えてみよう」と思うだけでいい、と述べています。
あなたも本書を読んで、会社でうつにならないための「7つの心の技術」を学び、苦しい時には「やえじろべえモデル」を思い浮かべてみませんか?
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では、今日もハッピーな1日を!【2656日目】